第17話
送信者の正体
次の週末。
あれ以来、匿名のメッセージは送られてこなくなった。
なぜなら、メッセージを送っていたであろう張本人を、私が呼び出したから。
***
私はもう一度、地元へと戻った。
心配する両親をよそに、私はあの公園へと向かう。
塾の帰り、私と想太と零くんの三人で過ごしていた場所だ。
そこには、零くんが神妙な面持ちで待っていた。
彼は気まずそうに頭を掻く。
あのメッセージは全て、零くんによって送られたもの。
それを私が確信したことは、彼も察しているようだ。
私は曖昧に笑って首を横に振った。
ずっと想太の近くにいて、彼を知っている零くんだからこそ、落ち込む私を慰めようとして、あんなメッセージを書いたのだ。
だが、最初のメッセージだけは、想太が悪者であるとアピールしようとしているようにも思える。
零くんが、想太を貶めるような表現をするはずがない。
それだけは辻褄が合わず、疑問だった。
零くんの口から、信じられない言葉が出てきた。
自分が死んだ後に送るように、なんて――まるで本当に死ぬことを予見していたような言い方だ。
私が唖然としていると、零くんは自分のスマホを取り出して、とある画面を私に見せてきた。
その画面には、『僕の唯一無二の親友、零へ』という件名のメールが表示されていた。
想太から、零くんに送られたものだ。
日付は、想太が亡くなる約一ヶ月前――。
【第18話につづく】