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第16話

確信のとき
放心状態、その一言に尽きる。


隣を歩く零くんも、ほとんど言葉を発しなかった。


想太が私を嫌いになったのなら、それはそれでショックだっただろうけれど、諦めがついた。


でも、あんな写真を見せられたら、そうではなかったと判断するのが普通だろう。


想太が何を思い、何を考えていたのか知りたい。


その願いは強くなるばかりだった。


会話のないまま、零くんには、再び私の実家まで送ってもらった。
永沢 胡桃
永沢 胡桃
……零くん、今日はありがとう。
誘ってくれたことも、付き添ってくれたことも
河端 零
河端 零
うん
永沢 胡桃
永沢 胡桃
また、連絡するね

家の中に上がろうとすると、後ろから腕を掴んで引き留められた。
永沢 胡桃
永沢 胡桃
零くん?
河端 零
河端 零
あっ、ごめん

彼も無意識の行動だったようで、すぐに私の腕を放した。


けれど、彼は何か言いたそうにしている。
永沢 胡桃
永沢 胡桃
どうかしたの?
河端 零
河端 零
あのさ……あ、いや……

零くんは、今までになく険しい顔をして、言い淀んだ。
永沢 胡桃
永沢 胡桃
遠慮せずに、言っていいよ?

二年のブランクがあるとはいえ、それなりの信頼関係は築いてきたつもりだ。


零くんの言葉なら、聞き入れる覚悟がある。
河端 零
河端 零
……ごめん、やっぱりいい。
また連絡する
永沢 胡桃
永沢 胡桃
あ、うん。
またね

零くんは誤魔化すように笑って、急ぎ足で帰っていった。



***



あれから、私は実家で荷物をまとめ、夕方の新幹線で一人暮らしのアパートへと帰ってきた。


来週提出する課題やレポートを済ませると、あっという間に夜になる。


家族とも零くんとも離れて一人になると、考え事をして頭の中がごちゃごちゃしてきた。


何かに没頭していたほうが、想太のことを考えなくて済むのだが、もう他にすることがない。


テレビも雑誌にも興味がわかず、私はふと、匿名アカウントから受け取ったメッセージを読み返していた。



【桜野想太は、罪深い人間だ】

【桜野想太は、自分がいずれ死ぬことを知っていた】



これらがもしも本当で、想太自身が望んで、あらゆる手段を使って送られているのだとしたら。


その意図はなんだろうか。
永沢 胡桃
永沢 胡桃
(私に後悔させたい……? 想太を諦めさせたい……?)

考えても考えても、結論は出ない。


と、その時だった。


SNSに新着メッセージが来たときの、通知音が鳴ったのだ。


恐怖ではない、また別の興奮を覚えながら、私はそのメッセージを開いた。


新たな匿名アカウントから送られてきた内容は――。



【桜野想太は、永沢胡桃を心から愛していた】



永沢 胡桃
永沢 胡桃
(ああ……そういうことだったんだ……)

自然と涙が溢れた。


そして、真実に近いであろう、一つの仮説に辿り着く。


これを送ってきたのは、もうあの人しかいない。

【第17話につづく】