第9話

はち!
10,056
2019/07/04 16:47
ぶるーくside

僕がずっと幼かったときのこと。


生まれた時から病気を持っていた僕は学校に行くことも


出来ず入院生活を送っていた。


病院内は歳が近い子もいないし、遊ぶものもない。


とってもつまらない日々でいつの日か担当してくれて


いる看護師さんや家族にも感情を閉ざしていくようになった。


でもある日、僕が診察を終えて病室に戻ろうとした時


待合室で僕と同じくらいの歳の泣いてる女の子を見つけた。
ぶるーく
ぶるーく
ねぇねぇ、どうしたの?
いきなり声をかけた僕に少し驚いてから顔を上げたその子は涙を堪えて


「なんでもない!」


って作った笑顔を見せてきた。


それが気に入らなかった僕は
ぶるーく
ぶるーく
なんで笑うの?
ぶるーく
ぶるーく
さっきみたいに泣けばいいのに。
「…え?」
ぶるーく
ぶるーく
…でどうして泣いてたの?
「…お兄ちゃん……お兄ちゃんが死んじゃったの」
ぶるーく
ぶるーく
え?
「私、お兄ちゃんと一緒にお散歩してて信号が青になるの待ってたの。そしたらいきなり車が私達の方に向かってきて、お兄ちゃんが私を守ろうとして…そこから覚えてなくて起きたらお兄ちゃんが…」
ぶるーく
ぶるーく
お父さんとかお母さんのところに行かないの?
「私お兄ちゃんしかいないの。ずっと前に捨てられた。」
ぶるーく
ぶるーく
「私これからずっとひとりぼっちなのかな?」
ぶるーく
ぶるーく
…ううん。違うよ!
「え?」
ぶるーく
ぶるーく
ずっと僕がそばにいてあげる!だから友達になろう!
「本当?」
ぶるーく
ぶるーく
うん!ケガ完璧には治ってないでしょ?
ぶるーく
ぶるーく
だから治るまでは一緒にいられるよ!
「ありがとう!」
ぶるーく
ぶるーく
僕は赤城琉唯って言うの!
ぶるーく
ぶるーく
君は?
「私は…」

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