メイク落としの道具を整理していると、
公演が終わり、疲れてるはずなのに
楽屋に入って私を見つけた
途端、笑顔で駆け寄ってくるグク。
メイク担当とアイドルという関係。
私はアイドルの彼に恋をしている。
きらびやかな衣装に包まれて
ステージで一生懸命踊り綺麗な美声で
歌っていた。
そんなの
かっこよかったに決まってるじゃん。
でも言うの恥ずかしいなぁ・・笑
気付いた時には、すごく近い距離で
グクが私をじっと見つめていた。
いいい、今の何!?
聞き間違いじゃなければ可愛いって
言われた!?
心臓が速く波打つ。
俯いたグクの白い頬が真っ赤になっている。
これって、、、期待してもいいんだよね?
グクがそう言いかけた瞬間、
さらに頬を赤らめて上目づかいで
聞いてくるグク。
可愛いな((((
このあとは特に予定はないはずだ。
ふにゃっと力なく笑ったグク。
その表情にどことなく言いようのない
違和感を感じたのは私だけなのかな。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。