研磨side
由良が泣く数分前のことだった
皆にトスを上げていくだけだけどかなり疲れる
ゲームしたい、家に帰ってゴロゴロしたい、……
そういって皆に配る由良
由良は俺のことを研磨じゃなくて
ケンくんと呼んでくる。馴れたからいいけど……
そう言って俺は"由良が作った"スポドリを飲む
急に涙を流す由良
俺と夜久くん以外が由良の回りに集まる
その時に少し気の抜けた声がした
そして、俺の言葉と言い被さった
さっき皆が由良の回りにいた時に海くんが聞いたのか
あなたの名字さんに
と聞いていた。
けど俺は由良が全部やったとは思わない
だって……
由良には見るの、匂うの、食べるのが
全部が嫌で仕方がない嫌いなフルーツがある
だから、スポドリにはいつも、入れてなかった
けど、このスポドリには由良が嫌いな
"レモン"の味に変わっていたから……
でも結局俺"達"は……
由良の前では
《気のせいかもしれない》ということにしてしまった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。