第5話

やさしさ
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2019/01/26 11:04
走った。






































死にそうなくらい走った。













だって。





































期待した自分がバカだった。









あなたって呼ぶのも


タメ口で話すのも


寒いから手を握ってくれたことも


家まで送ってくれたことも




































男の人にあんまりされたことなかったから。













だから期待しちゃったんだ。





































でも、男に人にとっては。













































それが「普通」なんだ。



































あなた

ッ…。

連絡先も交換せず、























































年が明けてしまった。






れおの事は忘れたつもりだった。























仕事始め
佐野玲於
あけましておめでと。








やっぱり前みたいに、何もなかったように私に接してきて。




































思わせぶりばっかさせられて。
















私は無視することしかできなかった。







あなた

れおの事忘れた「つもり」だったけど、仕事中に不意に目があったり、













































仕事に支障をきたしていた。
佐野玲於
あなた






やっぱ無視するしかなくて。
あなた

佐野玲於
おい。
佐野玲於
無視すんなって。






れおの事無視してる自分も辛くって。






涙が溢れそうだった。
あなた

佐野玲於
なぁ。
佐野玲於
俺なんかした?





涙が止まらなくて。





その場から逃げようと思った。
あなた

ッ…

佐野玲於
おい。待て。



腕を掴まれた。




佐野玲於
おれ心当たりないからさ。
佐野玲於
話してくれないと分かんないんだわ。
佐野玲於
ゆっくりで良い。
佐野玲於
だから。
佐野玲於
お願いだから話して。
あなた

うん…。







れおはココアを差しだしてくれて、












やっぱり優しくて。


























誰にでも優しくするのかな。



って思って。














話すのに勇気がいったけど、




今話しておかないと、






自分が後悔しそうで。
あなた

あのね…




すべてを話した。







れおは優しくうん。とか頷いてくれて













それにまた涙が出そうになってる私。




れおの事すごく惚れてるなぁ。








なんて思わされて。
佐野玲於
ごめん。
佐野玲於
俺さ…
運命のヒト_Reo._

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