走った。
死にそうなくらい走った。
だって。
期待した自分がバカだった。
あなたって呼ぶのも
タメ口で話すのも
寒いから手を握ってくれたことも
家まで送ってくれたことも
男の人にあんまりされたことなかったから。
だから期待しちゃったんだ。
でも、男に人にとっては。
それが「普通」なんだ。
連絡先も交換せず、
年が明けてしまった。
れおの事は忘れたつもりだった。
仕事始め
やっぱり前みたいに、何もなかったように私に接してきて。
思わせぶりばっかさせられて。
私は無視することしかできなかった。
れおの事忘れた「つもり」だったけど、仕事中に不意に目があったり、
仕事に支障をきたしていた。
やっぱ無視するしかなくて。
れおの事無視してる自分も辛くって。
涙が溢れそうだった。
涙が止まらなくて。
その場から逃げようと思った。
腕を掴まれた。
れおはココアを差しだしてくれて、
やっぱり優しくて。
誰にでも優しくするのかな。
って思って。
話すのに勇気がいったけど、
今話しておかないと、
自分が後悔しそうで。
すべてを話した。
れおは優しくうん。とか頷いてくれて
それにまた涙が出そうになってる私。
れおの事すごく惚れてるなぁ。
なんて思わされて。
運命のヒト_Reo._
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。