*○○side*
友「おめでとう、○○」
『ふふ、ありがとう』
今日は、君との結婚式。
私の親も、君の親もすんなりと受け入れてくれた。
今日から名字が”重岡”になる。
友「まさか私より早く結婚するなんてなー」
『んふふ、早く幸せになりなよ?』
友「はいはい、惚気話はいらないでーす」
それからもたくさんの人が挨拶に来てくれた。
昔からの友達も、君の友達も。
司会「では、新郎の重岡大毅さん。挨拶をお願いします」
「はい」
「えーっと、皆さんお集まりいただきありがとうございます。○○とは__、」
君お得意の笑顔で照れたり、笑ったりして挨拶をしている。
可愛くて笑ってしまったりした。
「○○」
『ん、?』
「これからも、愛してる以上の言葉で伝えていくんで、
手を取り合って進んで行きましょう。
そして、優しさの答え合わせをして、汚れた靴でもいいから、足跡を残して行きましょう。
これからも、よろしくお願いします」
涙が溢れて止まらなくなった。嬉しくて嬉しくて。
君はこっちを向いて、にっと笑っている。
それに応えて、私もとびきりの笑顔で返せば、幸せそうに微笑んだ。
___*___*___*___*___
*重岡side*
『疲れたー』
「ほんまにな。でも、めっちゃ幸せやった」
『ふふ、私も』
家に帰り、ひと通りの事を済ませたら、ベットに2人でダイブした。
結婚式の幸せな余韻がまだ残っている。
『あの時間がずっと続けばいいのにな、』
「でも、あの時間が続けば俺と新婚生活できひんで?(笑)」
『あ、ほんとだ(笑)』
君はたまに天然を発揮する。
それもまた可愛くて頭を撫でれば、幸せそうに目を細めた。
『大毅の言葉、めっちゃ嬉しかったな』
「ほんま?」
『うん。言葉のセンスいいなぁって。愛してる以上の言葉とか』
「俺もそれ好き」
『ほんと、愛してるじゃ足りないくらい大毅のこと好き』
「俺も。いや、愛してる以上じゃ足りひんな」
愛を伝える想いで、君を抱きしめる。
そうすれば、小さくて華奢な腕が腰にまわってくる。
それが愛しくて愛しくて、何回もキスをした。
『んっ、だいき···、』
「ほんまに、どうしようもないくらい好き、···」
『私もだよ、』
君の服に手をかける。
このまま幸せの海に沈んでしまおうか、__。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。