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第2話

縮まる距離
「今日の放課後、代表委員ありますよ〜!
2年5組の教室で行われます、忘れずにね〜」

担任の声が静かな教室に響く。

(うげ、朝からその話?やめてよもう…)

笑美は心の中でふっかーいため息をついた。

実は、ここ最近代表委員が多いのだ。
一昨日、昨日ときて今日もある。

今日はプリントの制作だった。
それも今日と明日に作り終わらせ、明後日に
配布予定の超ハードスケジュール。

笑美も吹奏楽部には遅れるし、相手の相原颯太も男子バスケットボール部に入っているから
朝練とかあって、大変だろう。



「じゃ、ホームルームを終了します」


チャイムと共に担任が教室を出ていく。

「はぁ…」

笑美は机に突っ伏した。

「よっ、笑美、お疲れ様!」

「む、千花…」

笑美は隣に来た千花を軽く睨んだ。

何故なら、この千花こそが笑美を
代表委員に誘い込んだ張本人なのだ。

千花が笑美を推薦しなければ、きっと今頃
笑美も楽しい朝を過ごしていた。

「まーまー。引き受けたのは笑美なんだしっ!
それよりさ、相手の相原くんとはどーお?」

「え?んー、あんまり話さないんだよね笑」

笑美はちらりと相原颯太を見た。

身長は高いし、顔もそれなりに整っているし
男子バスケットボール部なため、筋肉も
ついているから女子にもモテるはずだ。

ていうか、女子の理想の男子だ。

「そうなんだ?へぇ、あんまり話さないのか。
あ、そーだ、笑美」

ぽん、と千花が笑美の肩を叩く。

「今度、っていうか明々後日ね
選挙管理委員会と代表委員合同委員会あるの」

「えっ!?」

選挙管理委員会と、代表委員の合同委員会。

てことは。

「千花も一緒!?」

「うん!もち!」

笑美は千花の手を取ってジャンプした。

実は、代表委員の中に知り合いがいなくて
心寂しい思いをしていた、笑美なのであった。

「嬉しい!千花がいるだけで違うよ!
私、代表委員で孤立してるからさー」

笑美の言葉に千花も笑った。

何より、千花の“嬉しい”は
別の意味でもあったのだが。



放課後。笑美は代表委員の集合場所 2年5組に
足を運んでいた。

(またひとりぼっちかぁ)

はぁ、とため息をついて、教室が空くのを
待つ。

委員会が始まる前に、教室掃除がある為
10分くらいの待ち時間があった。

笑美にとって、この待ち時間が辛かった。

早く終われ、早く終われと願いながら
教室掃除を行う様子をぼんやりと眺めていた。

「花森」

ふと名前を呼ばれ、笑美はびっくりして
思わず転びそうになった。

「は、はいっ」

後ろを振り向けば、同じクラスの
代表委員男子、相原颯太がいた。

「あ、相原くん」

「だりーよな、待ち時間」

「え?あ、うん…」

「……何部?」

「えと…吹奏楽部…」

ぎこちない会話だけど、ひとりでぼんやりと
しているよりかはまだマシだ。

「え、吹奏楽部?楽器何?」

「えーっと、フレンチホルン。」

「すごい。楽器弾けるのって尊敬するわ」

相原がにんまりと笑った。

子供っぽい笑顔。

ドキンドキンと心臓が異常な程に騒ぎ出す。
笑美は首を傾げ、胸辺りを抑えた。

(なんで、こんなに痛いんだろ…)

笑美はまだ知らない。

この胸のドキドキを。
そして、これから訪れる波乱の運命を。


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ゆめぴりか
ゆめぴりか
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