第3話

ライバル視、再び?勉強会
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2022/01/30 00:02
岩泉
「お邪魔します」


及川の誘いで俺は勉強会に来た。本当は1人でやりたかったけど、あなたに会えるかもしれない、と思ってOKをしてしまった。
よりによってあなたがいなかったら何かダセぇ…
玄関で彼女の靴を目だけで探していたら及川が小さく笑った。


及川
「ふふふっ、大丈夫だよ、岩ちゃん。あなたならちゃ〜んといるよ ^^ 俺達と同じ様にここで勉強会する、て言ってたし」

岩泉
「そうか... 絶対に橘とだろ」

及川
「ビンゴ☆ あの2人はいつも一緒だからね ^^ あ、今回は拓也もいるみたい」

岩泉
「拓也、て誰だ?」


あなたの周りにそんなヤツ、いたか?」


及川
「遠藤拓也だよ。愛華ちゃんみたいに、幼稚園の頃からの友達。サッカー部に入ってるよ」

岩泉
「じゃぁ幼馴染か...」

及川
「あなたに気があるか心配?」


図星を突かれて少し焦った。


岩泉
「んな訳ねぇだろっ...!」

及川
「素直じゃないな〜 岩ちゃん。でも大丈夫だから安心して。あの3人は大親友なだけで、恋愛感情なんて全く無いから ^^」

岩泉
「何でお前が分かるんだよ...」

及川
「あなたのお兄ちゃんだから☆」

岩泉
「はぁ... まぁ良い。部屋に入るぞ」

及川
「え、あなたに挨拶しないの?」


及川の部屋の前に立つ俺と、あなたの部屋の前に立つ及川は顔を合わせた。
遠藤とあなたの間に親友関係以外何も無い事を確認出来るか...


岩泉
「あぁ、そうだな」


及川はノックして中に入った。


及川
「あなた、ただいま☆ 愛華ちゃんと拓也、いらっしゃい☆」

愛華
「お邪魔しています」

拓也
「徹!久しぶり!」

及川
「いえーい!久しぶり!」

あなた
「お帰り〜 あ、岩ちゃんもいるの?いらっしゃい ^^」


ドアと及川の陰に立つ様な感じでいたのに、俺に最初に挨拶したのはあなただった。


岩泉
「よう」

愛華
「岩泉先輩、こんにちは」

拓也
「こんにちは」


よし、まずは問題無いみたいだな...
挨拶の後にも及川はあなた達と少し話して、勉強会を始めた。





コンコンコン


あなた
「あのさ、3人揃ってよく分からない部分があるんだけど、お兄ちゃんか岩ちゃんに手伝ってもらえるかな?お母さんは買い物で出かけているから...」


あなたが顔を覗かせて訊いた。


及川
「岩ちゃんはもう解き終わっているよね。俺はまだ少し時間がかかりそうだから行ってあげたら?」

岩泉
「分かった」


そう短く返事をしてあなたの後を付いて行った。
ドアから見て、部屋の真ん中に置かれている机の向こう側には橘、横側には遠藤とあなたがそれぞれ座っていた。あなたの隣に座れるためにわざわざ奥まで行かなくて済む。そんな事をしたらどうせ怪しまれるだろうしな...


岩泉
「で、何が分からないんだ?」

あなた
「この問4なんだけど...」


机はそんなに広くない。だからあなたとの距離も短くて、彼女をいつもより近く感じた。それに気付いてドキドキを感じたけど、平然を装って3人の勉強を手伝った。


あなた
「分かりやすい説明だった。ありがとう、岩ちゃん」

愛華・拓也
「ありがとうございます」

岩泉
「大した事じゃねぇよ。年上だし」

あなた
「ううん、相手に伝わる様に説明する、て誰もが出来る事じゃないよ。例えばでたっくんだけど、私より理解出来ている時があっても説明が下手なんだよ!でも岩ちゃんは出来たからスゴいよ」

岩泉
「...ありがとな...」


照れくさくて小さく礼を言った。でも同時に気になる点があった。
遠藤を"たっくん"て呼んでいるんだな... あだ名か... 俺はあなたに名前ですら呼んでもらえてねぇ...


岩泉
「じゃあ俺は戻るぞ。他に分からない問題があったらまた声をかけて良いからな」

あなた
「うん、ありがとう ^^」


笑顔を見せて部屋を出て、心の中でガッツポーズをした。
あなたの役に立ったぞ...!





あなた
「はぁ〜...!」

愛華
「良かったね、あなた ^^」

拓也
「メッチャクチャ嬉しそうだったな〜 ^^」

あなた
「え、顔に出てた...?どうしよう、岩ちゃんに見られてないよね...?」

拓也
「大丈夫なんじゃねぇの?俺はあなたも気持ちも知っているからそう見えたけど、岩泉先輩は気付かなかった様子だったぞ?」

愛華
「でも気付いてもらえるのも良いんじゃないの?アピールする感じで」

あなた
「でも岩ちゃんが私をどう思っているか分からないじゃん...」

拓也
「だからまず思い切って告白すんじゃね?俺は好きな人がいないからよく分かんねぇけどさ」

愛華
「そうだよ、あなた!もうずっと前から好きなんだからさ!」

拓也
「おい愛華、他人事じゃないぞ〜 ^^ お前の場合は徹とだろ」

愛華
「っ...!」

拓也
「ま、お前らを急かすつもりは無いから安心しろ。焦って変な展開になられたら嫌だからな」

愛華
「拓也、優しいー (泣)」

あなた
「ありがとう、たっくん」




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