第51話

君のこと
2,430
2021/09/13 07:57





















それから数日。


















大きな問題もなく、再編成の日を迎えた




























私はパソコンで資料を作っている。

















そして気がつくと夜の5時。



















みんなの練習風景が気になり、






廊下に出た瞬間一人目発見。



































『 …………栗ちゃん、? 』

























下を俯きながら歩いている栗田くん


































栗田「 ……あなたちゃん、ちょっと来て 」























今までに見た事ないくらい、




物凄い真剣な顔で言われたので怖くなった
























そして部屋に入り2人きりになる





























『 ……お話?ゆっくりでいいよ。 』

































栗田「 今日、ゲリラ順位発表式があったんだ。 」












『 え、…………… 』












栗田「 …………俺、20位以内に選ばれなかった 」












『 待っ、て…………どういうこと 』












栗田「 …………今までありがとう 」












『 …………うそ、だよね、聞いてないよそんなこと 』




























瞬きをするように目から涙が溢れる








拭う気力すらない








































栗田「 ていうのは嘘やけど。 」



















『 は 』


















え?
























栗田「 うそぴょん!!!!笑 」












『 えっ、、、はああ!!!どういうこと!どこまで嘘!! 』












栗田「 ゲリラ順位発表式があって、20位以内に入らなかったのは事実だけど脱落者はいなかった笑 」












『 ね、ほんとに……悪質すぎない!? 』























いや良かった……本当に良かった……



























『 栗ちゃんは私が一番初めに仲良くなった練習生だもん。もうヤダ。栗ちゃんはデビューするもん。 』















少し拗ねながら言うと、"可愛いこと言ってんなああ!笑"とか言いながら頭をガシガシしてくる





























『 ちょっと〜、あんなに真剣な顔初めて見たし 』












栗田「 まあ、辛かったけどね。現実突きつけられた。 」




















そう言いながら、






私の頬に手を当てて涙を拭ってくれる



































『 大丈夫だよ。栗ちゃんのいい所、全部知ってるもん。きっと大丈夫。 』




















目を見ながら私はそういう。







すると視界が真っ暗になった






























栗田「 も〜〜やめて!!……笑 」












『 ちょ、急すぎ!! 』





















いきなり抱き着かれたらびっくりしますよ笑








そう思いながら、








今まで不安だったんだな……とも思う。





























『 …………栗ちゃん大好きだよ。 』












栗田「 …………そうやってすぐ色んな人に好き好き言う… 」












『 うるさいなぁ!そんな言わないし! 』












栗田「 俺だけ特別?笑 」












『 特別も何も無いよ笑 』












栗田「 そっかぁー、俺は本気で特別やけどな?笑 」












『 はいはい、からかわないの。 』



























そう言いながら離れると




栗田ちゃんの目に涙が溜まってるのが見える


































『 我慢しないでいいんだよ、はい。 』





















ハンカチを差し出すと




栗ちゃんは後ろを向いて、




涙腺が解けたかのように泣き出す































……私は知ってるよ。





全て初心者なクセして、





仲間にダンスを教えてるところ。









辛いことがあっても、




涙を我慢して見せないところ。















そして誰にでも優しくて、



誰とでも仲良くなれるところ。





















オンタクトに比べて、




すっごいダンス上手くなってるし、




君はデビューすべき人なんだ。
























だから、最後まで、










ファイナルまで、








































……君のメイクをしたいんだ。



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