『 ……ごめんなさいっ!!!?! 』
なぜ私が謝っているのか
いや、反射的に言葉が出ただけだ
なぜなら私は謝られる方の人間だもん、
ね?
西洸人。
『 ……あの、ゴキブリ出たからって私に抱きつかないでください。暑いです。しかも勢いよすぎてこっちから謝っちゃったしこの状態で誰か来たら私クビですよ? 』
西「 だって……ほらっあああ!そこにいる!!! 」
『 だから私を盾にしてバックハグしないでください! 』
なんなんだこの男
『 他の練習生が来たらなんて思われ………… 』
思われるか……そう呆れて言おうとした瞬間に扉が開いた
あ、終わった。
「 ……ええええええええええええ!!!!! 」
ちょっとうるさいな、
いや、
かなりうるさいな、
池﨑理人、松田迅。
松田「 あれれ!!!もしかしてお二人さんってそういう感じですかぁ〜〜?笑 」
『 うるさいな松田迅。ゴキブリが出たからって咄嗟に私を盾にしてきたんですよこの男。お前の性別と私の性別考えろよって感じですけど 』
西「 あなたちゃんなんでそんなに落ち着いてるの!? 」
『 だってゴキブリごときが私たちに害を与えるわけが…………ぎゃああああああああ!! 』
そう言おうとした瞬間に私の足元に"ヤツ"がいることに気づく。
私は全力で逃げようとドアまで走る
そして部屋に入ろうとした誰かとぶつかった。
「 わっ、どうしたの?大丈夫? 」
衝動的に抱きつく形になってしまった
のにも関わらず、
腕を私の背中に回して反対の手で私の頭を撫でる
木村くん。
西「 はああああ!?!?ちょ!!離れろ!! 」
木村「 いやだー笑 」
池﨑「 そもそも何が起きてるのか分かってない 」()
『 理人くんには説明しましたよね?? 』
木村「 叫び声聞こえたから走ってきたんだけど…どうしたの?何があったの? 」
『 ……ゴキブリが出て、西洸人に盾にされて、そんなゴキブリごときで……って思ってたら足元にいたんですよ。なのでこの部屋出てやろうと思って走ったら……すみません、衝突しちゃいました 』
木村「 なるほど…… 」
西「 なんだよ〜〜、ゴキブリのおかげであなたちゃんに抱きつけたのに 」
木村「 え?盾にしたってそういうこと?バックハグ的な?笑 」
松田「 俺らがはいってきたらすっごい密着してましたもん笑 」
『 …西洸人とゴキブリ嫌い。 』
西「 俺とゴキブリ同じ扱い!?!? 」
……ってか木村さんごめんなさい!!!!!
そう言いながら離れようとしたら強く抱き締めてくる
「 怖かったよね〜〜…よしよし。 」
……木村さん超カッコイイんだけど
めっちゃキュンキュンしちゃうよ (?
田島「 ……え、なにこの状況 」
池﨑「 俺が一番分かってない 」(まだ?)
田島「 西くん倒れてて松田くんニヤケてて柾哉くんと佐藤さんハグしてるの 」
『 色々あったんです……けど今すぐ離れます申し訳ありません 』
木村「 いいよまだ離れなくて笑 」
『 ……柾哉くんって罪な人ですよね 』
木村「 今初めて柾哉って呼んでくれたね笑 」
『 …………あ、田島さんにつられちゃいました 』
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。