朝起きて出勤して準備をする。
まだ早かったからちょっと仮眠しようかな…
そう思ってたらスマホが鳴った、電話?
『 …………お兄ちゃんだ。 』
そういえば仕事が決まってから忙しくて全然連絡取れてなかったな
『 はーい、もしもし? 』
《 うわ!やっと出てくれたよ〜〜、昨日も電話したんだよ!? 》
『 ごめんね忙しくて笑。ていうか今朝の6時だよ?よく起きてるね 』
《 俺も仕事でさ〜、メンバー来ないし暇だったから 》
あ、そうだ。言い忘れてました。
私のお兄ちゃん、
JO1の佐藤景瑚です。
『 汐恩くんは?まだ来てないの〜? 』
景瑚《 だからなんでアイツが好きなんだよ笑 》
『 ちょーーーー優しいもん笑 』
景瑚《 ふーん笑 どう?プデュ慣れた? 》
『 うーん…睡眠時間とれなくてめちゃくちゃ眠い 』
景瑚《 え、ブラック企業?笑 》
『 裏方の中で私が一番年齢下だからさ、スタッフさんの仕事も任されるの。だから帰るのが遅くなる。 』
景瑚《 ええ……辞めれば?家戻ってきてよ!あなたいないから料理作れなくて毎日カップ麺なの〜〜! 》
『 やめれないし…自炊しなよ笑 』
景瑚《 …自炊なぁ、出来ないんだよね 》
『 …今度行こうか? 』
景瑚《 いやあなたに負荷をかけさせる訳にはいかないからいいよ 》
『 え、優しいじゃん 笑 』
景瑚《 あああ〜〜会いたいなぁ、顔みたい。 》
『 はいはい、もうすぐ練習生来るからまたね、 』
景瑚《 はーい。頑張ってね、なんかあったらすぐ呼んでね? 》
『 過保護過ぎ笑 ありがとう、バイバイ 』
景瑚と話してる時間が一番安心するんだよな
そう余韻に浸ってたらドアが開いた
『 わっ!!! 』
木村「 ………… 」
『 ……え いつから聞いてました? 』
木村「 ……自炊しろ?みたいなところから笑 」
『 すみません…入りにくかったですよね?お恥ずかしい、 』
木村「 …いや、別にいいんですけど………彼氏さん、ですか? 」
深刻そうな顔で見てくる
待ってもしかしてこの職場恋愛禁止?
いやそもそも彼氏じゃねえ!!!!!!!
『 違います!!!!!兄です!!!! 』
全力で否定する
確かに景瑚みたいな彼氏がいたらいいだろうな…
でもさすがに恋愛対象じゃない
木村「 え……よかった……仲良いですね笑 」
『 いやぁ…最近全然会えてなかったので…運命の再会的な?笑…いやあの人と運命は嫌だな… 』
自分で言っておきながら自分で突っ込む
木村「 年離れてるんですか? 」
『 1歳差です! 』
木村「 ふーん…彼氏いないんですか? 」
『 ぐっ……………。一年前に振られました 』
木村「 …え!!あなたさんでも振られるとかあるんですか!? 」
『 人生初めての恋だったんですよ…告白されて付き合って1ヶ月したら浮気されてて………ぐわぁっ…思い出しただけで胸が痛みます。 』
木村「 …そんな未練あるの? 」
『 …振られてから半年は引きずりました。諦めようと思った時にまた告白されたんですよ。本当に心揺らいで、でもそれこそ兄に相談したら、"あんなにあなたを泣かせたお前にあなたは絶対渡さない"って兄が元彼に直接言ったんです。それでもう諦めがついて…今は全く未練ないです笑 』
木村「 へ〜〜…ってごめんねこんなプライベートな話。笑 」
『 いやいや!私が電話してたのがいけないので!練習始めますか? 』
木村「 はい、そろそろみんな来ると思います。 」
そうか、今納得した。
KENZOさんが私を誘ってくれたのは、
私が景瑚の弟と知っていたからなのかな?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!