第200話

200
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2023/03/26 17:59
-ミナside-
私、部屋を片付けるので
あなたの下の名前の事…
お願い出来ますか?
ミナ
ミナ
はい。
ベランダに行っても、振り返る事すらしてくれへん。
話したい事はいっぱいあったはずやのに、いざとなったら全く言葉が出てこやんかった。
あなた
…何で来たの?
あー、やっぱり拒否られてる。
顔すら見せてくれへん。
ミナ
ミナ
前に行くって言うたやん。
あなた
……
ミナ
ミナ
来やへんほうが良かった?
これで、"うん"とか言われたら自分がショック受けるくせに。
何で聞いちゃうんやろ?
あなた
……
ミナ
ミナ
はぁ……
ちょっとは話してくれても
いいやん。
出会った頃より酷いな…
それに、タバコ。
吸い終わったら、すぐ2本目に火つけてる。
あなた
……
心折れそう。
けど、放って置けへん。
あなたの下の名前…
私、買い物に行ってくるから。
あなた
…分かった。
ちょっとの間、2人っきりか……
ちゃんと話したいし。
とりあえず、顔だけでもこっち向かさんと。


3本目のタバコを手から奪いとれば、案の定こっちを向いた。
ミナ
ミナ
吸い過ぎ。
あなた
……だから何?
…あんたに関係ないじゃん。
ミナ
ミナ
体に良くない。
手震えてるやんか……
それに、何か呼吸のリズムおかしない?
あなた
ウザ…い……
ミナ
ミナ
しんどいんやろ?
生意気言うとらんと頼り。
どんどん乱れるあなたの下の名前の呼吸のリズム。
近寄るなオーラ全開。
けど、そんなの関係あらへん。
あなた
馬鹿…教…師……
離れ…ろ……
そっと抱きしめれば強張る身体。
決して人に頼る気がない心。
ミナ
ミナ
今は私しかおらへん。
逃げようとするあなたの下の名前は、全く力が入ってんくて……
少し強めに力を入れれば、抵抗する事を諦めた感じやった。
ミナ
ミナ
私の事、ウザいって思ってもいいし
関わりたないって思うのも自由。
けどな?
こんな状態で言われても無理。
無理してるくせに、強がって……
私を遠ざけて。
こんな姿見て、私がこの先
幸せに過ごせると思ってるん?
ちょっとでいいから、心を動かしたかった。
あなた
会いたく…なかっ……た。
ミナ
ミナ
うん。
あなた
だけど……会い…たくて……
仕方な…かっ……た。
ミナ
ミナ
私も会いたかった。
呼吸のリズムは乱れたまま。
しゃがみ込んで、途切れながらも言葉を発するあなたの下の名前を受け止める。
ミナ
ミナ
遠ざけるなら、こんな状態で
おらんといてよ……
あなた
あんた…を、傷つけ……たから…
そ…れに、私に関わって……
余計…に……、傷つくのを
見た…くなかっ…た。
強がりで生意気で…
それでも優し過ぎる。
繊細な心やのに、自分が傷付いても言葉にする事はしやへん。
だからこそ、余計に放っておけへん。
ミナ
ミナ
傷付いてもいいから来たんやで?
1人で何もかも背負わんくていい。
誰にも頼れんって思うんやったら
私の傍でちょっと休めばいいやん。
あなたの下の名前が、頑張ってるのは分かってるから…
少し休んで、また頑張る。
そっちの方が効率いいし、新しい考えも
思いつくかもしれんよ?
少しずつあなたの下の名前の心の扉を開いていく。
あなた
やっぱ…り、会いたく…なかっ……た。
その言葉の後に、遠慮がちに背中に回された腕。
今のあなたの下の名前の出せる力を精一杯込められてる気がした。

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