第106話

106
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2022/06/27 15:13
-ミナside-


どうしよ…
全く寝れへん。
横には天使みたいな寝顔。
けど、それ以上に武蔵からの視線をめっちゃ感じる。


武蔵の方を見れば、プイッてされた。
けど、あなたの下の名前が寝返り打つ度に気にしてる。
どんだけ賢いねん。
あなた
……寝ないの?
水を飲もうとして、体を起こすと寝起きの声がした。
ミナ
ミナ
ごめん…起こしてしもた?
あなた
……大丈夫。
…すぐ、寝る。
いつもと雰囲気違い過ぎる。
学校でもよく寝てるけど、こんなにもフニャフニャしてない。
何か可愛い…
自然と頭を撫でてしまう。
あなた
…寝れない。
"寝れん"って言ってるけど、目開いてないで?
反抗心?かツンデレか知らんけど、私には可愛く見えて仕方ない。
ミナ
ミナ
寝れへん感じには見えんで?
あなた
……寝る。
結局寝るんかい。
何やねん、それ。
可愛い過ぎる。
ミナ
ミナ
おやすみ。
あなた
………うん。
あー、ほんま可愛い。
数分後には、また天使の寝顔。
私もさすがに眠くて、もっと天使を堪能したかったけど限界…
重くなった瞼を閉じて、眠りについた。


………アラーム鳴ってる。
テーブルに置いたスマホ。
休日でもリズムは崩さんように毎朝一緒の時間にかけてるアラーム。
結構大きめの音でかけてるのに、横の天使は全く起きる気配なし。
とりあえず、体を起こしてスマホを取りに行こうとすると…
武蔵が、スマホを咥えて持って来てくれた。
ミナ
ミナ
えっ…ほんまに賢い。
ありがとう。
……あれ?持って来てくれたけど、また顔プイッてされた。
優しいけど素直にありがとうを受け取ってくれへん所、あなたの下の名前と似てる。
アラームを止めて、未だ爆睡してるあなたの下の名前の頭を撫でる。
ミナ
ミナ
ほんま髪サラサラやなぁ。
てか、全然起きひんやん。
爆音ではないけど、結構大きめの音でアラーム鳴ってたんやけどなぁ…
なんか、毎日遅刻してくるのが分かった気する。
あなた
………
あっ、目開いた。
ミナ
ミナ
おはよう。
あなた
……眠。
えー。
めっちゃ機嫌悪いやん。
低血圧なん?
夜中の可愛さどっかいってる。
これ、授業中に起こした時と一緒のやつやわ。
あなた
……起きるの早くない?
ミナ
ミナ
毎日一緒の時間に起きるように
してるから。
あなた
…ふーん。
今、何時?
ミナ
ミナ
6時過ぎ。
あなた
……寝る。
まぁ、普通そうなるよな。
寝たの4時前とかやったし。
高校2年生なんか1日中寝とっても眠い時期。
あなた
…あんたも寝なよ?
ベッドに座ってる私に向けられた視線は、とてつもなく眠そうやのにどこかしら優しい。
授業中に起こした時とは違う視線に、私の心臓は意図も簡単に鼓動を速める。
ミナ
ミナ
…うん。
横に寝転ぶと、フニャっとした笑顔。
それにまた心臓が跳ねる。
ミナ
ミナ
さっきから可愛すぎる。
あなた
誰が?
ミナ
ミナ
あなたの下の名前。
あなた
…目、おかしいんじゃない?
あら?
背中向けてしもた。
もしかして、照れてる?
ミナ
ミナ
こっち向いてよ。
あなた
嫌。
寝る。
ミナ
ミナ
こっち向いてー。
あなた
ウザい。
あー、可愛い。
絶対照れてるやん、これ。
ミナ
ミナ
なら、こっち向かんでいいから
寝る前に聞いて。
あなた
……何?
華奢過ぎる肩に自分のおでこを当てる。
ミナ
ミナ
好き…
"私も…"とかはないけど、今こうやって引っ付いた状態を受け入れてくれてるだけで満足。
すでに寝てる天使の頬に、触れるだけのキスをした。

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