-ミナside-
どうしよ…
全く寝れへん。
横には天使みたいな寝顔。
けど、それ以上に武蔵からの視線をめっちゃ感じる。
武蔵の方を見れば、プイッてされた。
けど、あなたの下の名前が寝返り打つ度に気にしてる。
どんだけ賢いねん。
水を飲もうとして、体を起こすと寝起きの声がした。
いつもと雰囲気違い過ぎる。
学校でもよく寝てるけど、こんなにもフニャフニャしてない。
何か可愛い…
自然と頭を撫でてしまう。
"寝れん"って言ってるけど、目開いてないで?
反抗心?かツンデレか知らんけど、私には可愛く見えて仕方ない。
結局寝るんかい。
何やねん、それ。
可愛い過ぎる。
あー、ほんま可愛い。
数分後には、また天使の寝顔。
私もさすがに眠くて、もっと天使を堪能したかったけど限界…
重くなった瞼を閉じて、眠りについた。
………アラーム鳴ってる。
テーブルに置いたスマホ。
休日でもリズムは崩さんように毎朝一緒の時間にかけてるアラーム。
結構大きめの音でかけてるのに、横の天使は全く起きる気配なし。
とりあえず、体を起こしてスマホを取りに行こうとすると…
武蔵が、スマホを咥えて持って来てくれた。
……あれ?持って来てくれたけど、また顔プイッてされた。
優しいけど素直にありがとうを受け取ってくれへん所、あなたの下の名前と似てる。
アラームを止めて、未だ爆睡してるあなたの下の名前の頭を撫でる。
爆音ではないけど、結構大きめの音でアラーム鳴ってたんやけどなぁ…
なんか、毎日遅刻してくるのが分かった気する。
あっ、目開いた。
えー。
めっちゃ機嫌悪いやん。
低血圧なん?
夜中の可愛さどっかいってる。
これ、授業中に起こした時と一緒のやつやわ。
まぁ、普通そうなるよな。
寝たの4時前とかやったし。
高校2年生なんか1日中寝とっても眠い時期。
ベッドに座ってる私に向けられた視線は、とてつもなく眠そうやのにどこかしら優しい。
授業中に起こした時とは違う視線に、私の心臓は意図も簡単に鼓動を速める。
横に寝転ぶと、フニャっとした笑顔。
それにまた心臓が跳ねる。
あら?
背中向けてしもた。
もしかして、照れてる?
あー、可愛い。
絶対照れてるやん、これ。
華奢過ぎる肩に自分のおでこを当てる。
"私も…"とかはないけど、今こうやって引っ付いた状態を受け入れてくれてるだけで満足。
すでに寝てる天使の頬に、触れるだけのキスをした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。