谷川あなた
23歳
私がこんなところに来たのは彼の勘違いが原因
たくさんの女性の黄色い声が聞こえて
人が信じられないくらい集まっていたあの場所
「あの、ちょっと通らせてください」
私の行きつけのカフェにテレビの取材が来たらしい
はっきり言っていい迷惑。
人混みの中心にいた有名人らしき人、数人と目が合う
_「あ、マネージャーさん!!」
_「待ってたんですよ、!?」
_「早く出ないと!!」
「えっ、」
「あのっ、」
_「早く!!案内して!!」
絶対勘違いしてるなって分かったけど
めんどくさいことになる前に動こうと思って
それなりに対応した
人混みの少ない細い道に案内すると
_「いや、人多すぎるでしょ」
_「それだけ有名なれたってこと?笑」
「あのっ、」
「私マネージャーさんじゃないです」
_「えっ嘘!?」
_「ファンの子?!」
「申し訳ないですけど、誰か分からないです」
「じゃあ、」
帰ろうとしたら後ろから声が聞こえる
_「まって、!」
_「俺たちSnowManなんだけど」
_「一緒に住まない?」
「何言ってるんですか」
_「いや、だって臨機応変に対応してくれたし」
_「全然ファンじゃなさそうだから、」
「それと住むことと何の関係があるんですか!」
_「俺たち最近シェアハウスし始めて」
_「簡単に言えばお手伝いさんになって欲しいの」
_「家事とか住み込みでやってもらおうかなと思って」
「ちょっと、」
「考えさせてください」
最近仕事が上手くいってなくて
転職しようか迷っていたタイミングだった
そして住んで家事をすればお金が貰えるなんて
すごくおいしい話だと思った
なんか裏がありそうで怖いと一瞬思ったが
住んで怪しいと思ったら出ていけばいいか
なんて勝手に解決して
「決めました。」
「よろしくお願いします」
_「よかった~!!!」
_「なるべく早くお願いします」
「じゃあ明日からで」
_「あとで家案内する!!」
こうして私の変わった生活が始まった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。