やってしまった
かなりまずい状況
渡辺さんに完璧に誤解されてしまった
家だといえど私にとっては仕事場
その仕事場であんな態度はなかった
イヤホンで周りの音を遮断して
ひたすらスマホに集中
そりゃ心配されるし誤解も生む
驚きすぎて出て行ってしまった
渡辺さんの背中をぼんやりと見ていると
隣に深澤さんが座った
「深澤さん、ごめんなさい」
「どうしましょう」
深「大丈夫、落ち着いて!?」
深「ちょっと翔太怖いもんな」
「いや今のは完璧に私が誤解を生ませてしまって、」
深「俺もびっくりした」
深「一応、みんなの誤解をとくためにも」
深「なにしてたか教えてくれない、?」
優しすぎる声と視線に
今更嘘なんてつけなかった
「みなさんのこと調べてましたっ、」
一瞬時が止まったように静かになり
全員が笑い始めた
「えっ、」
佐「あなたちゃんまじか!!!笑」
「だって!」
向「あなたちゃんめっちゃかわええやん笑」
なんで、?!
「だってここに来て1週間以上経つのに」
「やっと顔と名前が一致して」
「それなりに話せるようになっただけなんですもん」
「さすがに一緒に住むとしたら」
「ある程度知識がないといけないなと思って…」
「だから、ここ最近Wikipediaとか」
「YouTubeやWeiboとかで情報収集してたんです、」
「あと、デビュー前のみなさんのYouTubeとか」
「ISLAND TV?とかも見てて」
「ほんとに、それだけなんです、」
「黙っててごめんなさい」
佐「なんか、すごい偉いね」
岩「ほんと、」
宮「睡眠時間削ってまでして調べてくれてたの?」
「…はい」
深「なんか、ありがたいけど」
深「そんな事しなくていいんだよ」
深「あ、別に嫌なワケじゃなくて」
深「あなたちゃんには今の俺たちを見ていて欲しい」
深「SnowManの事知らなくても大丈夫だよ?」
深「いやそれはだめだけど、なんて言えばいいかな」
深澤さんは文字通り頭を抱えていた
目「あなたちゃんにファンになってもらわなくていい」
目「ただ素の俺らを支えて欲しいし」
目「無理して調べたり好きになる必要ないから」
阿「おっ、めめいいこと言うじゃん」
目「たまにはバカ卒業?笑」
「みなさんありがとうございます」
「あの、私渡辺さんのとこ行ってきます」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!