第79話
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🐹 side
目の前で何が起きたんだ……?
あれからすぐに来た救急車の中でも、いまだに状況が理解できないでいた。
何かが起こったはずなのに、何が起こったのか全く分からない。
ユンギへの心配と、あなたへの疑問が頭の中で渦巻いていた。
︙
しばらくすると救急車が病院に着いて、ユンギが診察室に運ばれていった。
手術室でないということは、命の危険は無いということだろうか……
それでも不安は消えずに、あなたと診察室の椅子で先生が出てくるのを待っていた。
そのとき、診察室の扉が開いてお医者さんが出てきた。
身を乗り出して聞くあなたに、先生は優しくうなずいてくれた。
先生の丁寧な説明に安心していると、隣にいたあなたの体がグラッと傾いた。
僕と先生でとっさにあなたの体を受け止めた。
ユンギが事故にあって、あなたまで……
どうしようも怖くなって、動揺する僕の横で
さすがの先生は冷静にあなたの脈をはかったり、瞳孔を確認したりしていた。
点滴に繋がれたユンギと、看護師さんに抱えられて担架に乗せられたあなたが病室に運ばれて行く後ろを
気持ちの整理がつかないまま、ついていった。