第18話
💊
ピピピピ_____
鳴り響くアラーム音。
目を開けるとそこは紛れもなくいつもの私の部屋で、ただ変わったところは…
私の右手の人差し指にあのリングがはまっていること。
危うく夢として記憶からなくなりそうになっていた神様との会話を思い出す。
探してみると、パジャマのポケットに入っていた。
ポケットから取り出した薬はやっぱり綺麗で本当になんでも治せるような気がしてきた。
今思うと、あんな状況をよくも飲み込めたと思う。
ただの夢かもしれないのに、幻想かもしれないのに、
なぜか私にはあれは夢ではない、そんな確信があった。
今すぐにでもジミンのところに行きたかったけれど、昨日のこともあってなんだか気まずくてとりあえず朝ごはんを食べることにした。
リングをつけたまま、リビングへ向う。
私が言葉をつまらせたのにはわけがある。
お母さんは平然としているけれど、私にはお母さんの頭と肩に黒いモヤモヤが見える。
もしかして、これがリングの効果…?
ためしにリングを外してみると、予想通りモヤモヤも見えなくなった。
カプセルが必要な人を教えてくれるってこういうことか…。
私は思い切ってお母さんに聞いてみた。
するとお母さんは少し驚いた表情を見せた。
モヤモヤがあった場所とピッタリ……
神様にもらったの!…なんて言えるはずもなく、適当にごまかす。
だけどこれで分かった。
このリングの力は本物だ。
カプセルはどうだろう…?
神様が溶かすと良いとかなんとか言ってたような気がする…
私はお母さんの飲みかけのコーヒーの中にこっそりとカプセルを一粒入れた。
一瞬コーヒーが光ったと思ったら、カプセルは溶けていた。
そういうとお母さんは残っていたコーヒーを飲みほした。
すると、みるみるうちにモヤモヤが消えていった。
半分冗談、半分本気で聞いてみる。
なんて冗談を言っているけど、内心はカプセルの力に興奮していた。
気まずさなんてどっかに飛んでいって、私はジミンにカトクをしていた。