第83話
💊
🐹 side
なんとなく気まずい空気が流れているのを振り切るように、作っておいたお昼ごはんをテーブルに並べていった。
やっぱりいつもとは違って重たい空気。
みんなの箸があまり進んでいない中、最初に話し始めたのはユンギだった。
全然大丈夫じゃないはずなのに、ユンギはいつまで強がる気だろう。
持っていた箸を置いて、しっかりユンギと向き合った。
唇を噛んで、うつむいているユンギ。
肩には力が入って上がっている。
ユンギが誰かに頼ったり、弱気な姿を見せるのが苦手なタイプなのは分かってる。
相談しやすい環境が作れなかったのは長男の僕にも責任があるとも思っている。
だけどユンギに、これだけは分かっておいて欲しかった。
僕もユンギに怒っている訳じゃない。
ただ、仲間なんだから、一緒に夢を追いかけているんだから頼ってほしいんだ。
僕の言葉に乗せてみんなが声をかけて、やっとユンギの表現が緩みはじめた。
少し照れたようなユンギの笑顔は、久しぶりに見る僕たちの好きな笑顔だった。
弟たちにつられて笑うユンギはもう大丈夫そうだな。
テヒョンがせっかく和ませてくれた雰囲気を崩すようだけど、まだ話してもらわなきゃいけない人がいる。