your side



2012.3月











春休みも目の前に迫ったある日。

玄関を開けると、いつもは仕事でいないはずのお母さんの声が聞こえてきた。

リビングから顔を覗かせるお母さんの奥に、知らない女の人の顔が見えた。

お母さんが家に友達を呼ぶなんて珍しいな…





なんて思いつつ、ジアンさんに挨拶をする。

そのクール見た目とは反対にとても明るい人のようだった。

そう言って豪快に笑うジアンさんはなんだか素敵だった。

お世辞なんて言われてしまったけど、ジアンさんは本当に綺麗で、





可愛いという言葉よりかっこいいという言葉が似合う女性だと思った。

ジアンさんは冗談も上手いらしいㅋㅋ





私がアイドルなんて…ㅋㅋ　　
　　　　　↑??（ちなみにあなたちゃんはこちら↓）

そういうと、ジアンさんは何かをかばんから取り出した。

ジアンさんから渡されたのは名刺だった。





その名刺には
"芸能事務所　Big Hit　部長　イ・ジアン"
と書かれていた。

すごい勢いで私を誘ってくれるイ・ジアンさんだけど……





やっぱり私がアイドルなんて考えられない…ㅋㅋ

苦笑いしながらそう答えると、ジアンさんは心底残念そうな顔をしていた。

お仕事の話かな…？





私は学校の荷物を片付けながら聞いていた。

確かに、ジアンさんはとても疲れているように見えた。





ジアンさんなら信用できそうだし、あれを持って来ようかな……

するとお母さんが私に小声でそっとささやいてきた。





お母さんはあのカプセルのことを知っている唯一の人。





話そうと決めたときは信じてもらえないと思っていたのに、いざ話してみると






”じゃあ、これからお母さん肩こりで悩まなくていいのね〜"





くらいにあっさりと信じてくれて驚いた。

お母さんもこう言ってることだし、私はジアンさんにあのカプセルをあげることにした。