あなたside
鬼狩りの所へ行くと稽古中だった
途中に居た隊士が『稽古の順番』について話してた
それを聞く限り、まずは天元からみたい...
私は盗み聞きながらうなずく
体力向上ねぇ...私?してないよ(笑)
気が付いたら体力はあったから(笑)
そう...この優しくて強い、猗窩座さんの速さを
上回ってたんだって(笑)私ってすごい☆
でも、か弱くなって猗窩座さんに
『守ってもらおう』なんて思わないよ...
死にたくないし、死んでほしくないから
意地でも戦う!
まぁ、とにかく...天元の屋敷に着いたから
この木の上で見てよっと(笑)
え?学習しろよバカって?
ノンノン、今日は猗窩座さんが居るから
心配ご無用なのだ(笑)
そろそろ夕方に近いし逃げやすい!
どうだ!申し分ないだろ!ふふんっ♪
うん、すごいカッコ良いセリフ☆
照れながら言ってくれるのも嬉しい♪
あ、稽古見なきゃ(笑)でもその前に...
お礼言わなきゃ(笑)
天元...上の名前忘れたし
何柱なのかも忘れたちゃった(笑)
物忘れがひどいねぇ、年取ったなぁ...
(いや...あなた、まだ若いでしょ!?)
薄い天元!覚えたぞぉ☆
(↑間違えてるぞ...笑)
天元は、とにかく山を走らせてるなぁ
あらまぁ...隊士ヘトヘトじゃん...
でも義勇は殺さない...私...
義勇が死ぬとこ見たくないもん...
ん?ところで
猗窩座さんは、間違えない自信ある!
だって...名字ないじゃん(笑)
本人には言わないけど...名字か名前...
どっちかしか記憶が残らないのよねぇ(笑)
あははっ☆
義勇の家に行くぞ~!んで、今
向かっている最中なんだけど...
向かいから杏寿郎と炭治郎兄さん、善逸兄さん
親分に玄弥まで...あぁ...どうしよう...
パシッ...
善逸兄さんが私の手を取る...ん?私バレてる?
グイッ!
大人っぽく言えた!絶対大丈夫!
私ってすごい☆
あぁぁぁ!両手を広げて待ってるぅぅ!
なんというレア場面!おやぶ~ん...
行きたくなるじゃないッスか~!
ズルイ~!...ジタバタ
何してるって?心の中で地団駄踏んでる(笑)
ぐぬぬ...う"ぅ~!
や、優しい...あ"ぁぁぁ!
ど、どうしたら良いんだぁ!?
ぐぎぎぎぎ...(葛藤してます)
お、親分...善逸兄さん...う~ん体が勝手に...
ぎゅっ!
猗窩座さんが抱き締めてくれたけど...
その手が少し震えていた
そっか...私が行っちゃうのが怖いんだ...
すると待ちきれなくなった親分が
私の目の前に来て手を握る
あ、親分泣いてる...あの強気で負けず嫌いな親分が...
もう、ダメ...私は涙に弱い!
私はそっと親分の涙をハンカチで拭く...
猗窩座さんは不安そうに私を抱き締めたまま...
大丈夫だよ、猗窩座さん...だって約束したもん...
本当に困った...私、目隠しでもしようかなぁ...
はぁ...やだやだ...
なんか...こう、さ...親分達見てたら
『攻撃してやろう!』って気が起きないのよ...
だって鬼狩りはその名の通り...
鬼を狩るんでしょ?それだけは嫌だもん...
お父様達が大好きだから...絶対守るんだ!
びゅんっ!
(猗窩座が、あなたを抱え走る)
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。