猗窩座side
ん?あれは...あなたじゃないか
なんだ?落ち込んでいるのか?(←違う...笑)
この廊下は真っ直ぐだし...
俺が前に居る事に、そのうち気が付くだろ...
とにかく様子を見ておくか(笑)
遠く離れてるとは言え、頭を上げれば
見えるんだから大丈夫だと思う...
15m...8m...いや、気付け!前見ろよ!
このまま手を広げて待ってみるか...
面白そうだな...どんな顔をするだろうか(笑)
3m...50㎝...ったく...前見なきゃ危ないだろ...
ムギュ...
俺の事に結局気が付かなかった、あなた
俺に当たって転けてしまわぬように
優しく抱き締めた...って...
コイツ顔が妙に赤くないか?風邪か?熱とか...
ピトッ...
俺は自分の顔を近付け、デコを合わせ
自分の体で熱があるか確かめた...
そしたらコイツ...もっと顔を赤くしたんだ...
ドクン...
なんだ?...心臓がうるさい...
自分でも分かるほどに大きく脈打って...
あなたは自分の手をうちわのようにして
パタパタとあおいでいる...
とても綺麗な虹色の瞳に
腰の所まである黒く綺麗な長い髪...
髪で暑いのか?
というか、自分も相当暑い
心臓も鳴り止まない...
あなたが髪止めでひとつに結ぶ
この動作すら綺麗に見えた...
また顔を赤く染める...ああ...
このままコイツを抱き締めていたい...
離したくない...何故...?
どうしてだろうか...
まだ10歳のこんな小さな子供だと言うのに...
なのに...こんなにも愛お...
愛おしい?この俺が...?誰を...
あなたが、愛おしい...のか?
もう少し密着するように抱き締めてみた...
ああ...居心地が良い...うん、良い...
そう言ってあなたは、俺の胸に頭を預け
隙間がないくらいにピッタリと密着した...
首に顔を埋めてみる...良い匂いだ...
あぁ...なんだかクラクラしてしまう///
大袈裟なんかじゃない...お前は...
離れなきゃな...そう思うのに体は正直で...
なかなか離れられない...///
コイツが来て何度も会いに行ってたな俺
小さな時からコイツが可愛くて...
あぁ...分かった...
その時からコイツが、好きだったのかも知れない...
(↑ロリコン...笑)
歳だって全然違う、身長だって、考える事だって...
だけど知ってしまった...
俺はあなたの事が好きなんだと...///
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。