第2話

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2021/04/20 05:30
No side
遠い遠い昔の大正時代のお話...
虹色の瞳を持つ殿方が居られた
その殿方の名は童磨と言う
童磨は優しくあたたかな人だと
奥方からご婦人の間で人気の高いお方でした...

ある日、童磨は自分の子供が欲しくなり
1人のご婦人を嫁に招き入れた
ご婦人は童磨が好きで好きで
たまりませんでした...

が、童磨に気持ちが無い事に気が付きます
それでも良いんです...そばに居れるから...
そしてお腹に赤子を身籠った...

お母様となった彼女はお腹の子が
愛しくて、たまりません...
そんな赤子も、もう少しで産まれて来る...
そして幸せを噛みしめながら
今日も外で散歩をしていました
お母様(あなたの母親)
お母様(あなたの母親)
あぁ、私の可愛い可愛い愛しい子...
立派に産まれて来るのですよ?
母は楽しみに待っております...ナデナデ
とても嬉しそうに微笑み、お腹を撫でた...
まだ産まれぬ赤子との愛しい時間...
ふと、隣街の話しが耳に流れてきたのだ
どうも人食い鬼が出たらしい...
このままではこの街にも来るのでは?
そう思った彼女は、お腹を撫でながら...
お母様(あなたの母親)
お母様(あなたの母親)
(この子だけは守りたい...)
あの人と自分の大切な我が子だけは..と...
ふと思う事があった彼女...
旦那である童磨は毎日
夜なるとどこかへ出掛けてしまう...

仕事だと思っているが
鬼の事で心配になってしまった...
家に帰ろうとすぐに引き返えした彼女
帰ってみると、童磨がニコニコと出迎えた
童磨(上弦の弐)
童磨(上弦の弐)
あれ~?どうしたんだい?
そんなに慌てちゃってさ~(笑)
彼女は、童磨に流れてきた情報を話す
そして自分に宿った子供が心配な事も...
すると『家を出なければ大丈夫だ』と笑っていた...
だけど安心した彼女は知らなかった...
まさか自分の慕う童磨が"アレ"だったなんて
あれから2年半...子供も無事に産まれ2歳になった
名前はあなた...可愛い女の子だった
あなたは童磨が好きなのか、彼女の腕の中は
嫌がるように泣いてしまう...困った彼女は仕方なく
童磨に預けっぱなしにしていた...
そんなある日の夜...
今日は珍しくあなたが彼女の腕の中で眠っており
そして童磨も家に居たが...
ふと彼女は、夜中に目を覚ます...
『ピチャッ...グチャッ...』
何か隣の部屋から嫌な音が...
これは何かを食べる音?まさか...鬼?
童磨が危ない!そう思った彼女は
あなたを置いて隣の部屋に急ぐ...
『スパン!』
戸を開き見えたその光景に、
彼女は足を震わせその場にしゃがみ込む...
信じられなかった...そう...この部屋に居たのは
怪我1つ無い自分の慕う夫の童磨...だけど...
街に居たご婦人をむさぼっていたんだ

叫ぼうと思ったが、息が詰まり声が出ない
せめて...せめてあの子だけでも!
だが、時すでに遅し...血まみれの童磨は
あなたを自分の手元に連れて来たのだ...
お母様(あなたの母親)
お母様(あなたの母親)
やめて...あなたを返して!
あなたは、まだ2歳...こんな所に置いてたら
と思うと怖くてたまらない彼女...
ニヤりと笑う童磨はあなたを抱き締める
あなたは首をかしげて
あなた

とーしゃ?かーしゃ?
(訳:お父さん?お母さん?)

童磨(上弦の弐)
童磨(上弦の弐)
大丈夫だよ、あなた~♪
良い子だねぇ☆
そう言って童磨は娘を抱きかかえる
あなたは自分と同じ瞳なのだ
その虹色の瞳が月の光により
あまりにも美しく輝いている為
見とれてしまう童磨...
そして娘が鬼にされたくない彼女は...
お母様(あなたの母親)
お母様(あなたの母親)
あなた、お父様から離れなさい!
早く!離れて!
童磨がわざと隙を作ると
彼女はあなたを奪い取り抱き締めた
そして童磨をにらむ...
お母様(あなたの母親)
お母様(あなたの母親)
(この子を守らなきゃ!)
彼女はあなたを抱き上げ、裸足で森へ走る
何故、こんな暗い森を走るのか...
それは隣街に行く為だ...
そしたら助けを呼べると思っていた彼女
その彼女を必死に追いかけるフリをする童磨
本当はすぐ追い付く事も、一瞬で殺す事も出来る
じゃあ何故しないのか?それは...
あなたの前でそんな事は
したくないと思っているから...
だから童磨は、こんな風に追いかけている
あなた

とーしゃ、たしゅけて...グスッ
(訳:お父さん、助けて)

あなたは母様も好きだが、1番は父の童磨なのだ...
このままじゃ離ればなれになってしまう
幼いながらもそう感じたのだろう...
だから『助けて』と言ったのだ
娘の言葉を聞き、一瞬にして彼女の前に来た童磨
そしてニコニコとあなたに手を伸ばす...
が、彼女は童磨の手を叩いた
あなた

かーしゃ、ペンペン、めーよ、めっ!
とーしゃ、たいたいよ...?
(訳:お母さん叩いちゃダメ!
   お父さんが痛いでしょ?)

お母様(あなたの母親)
お母様(あなたの母親)
痛い訳無い!とにかく離れなきゃ!
彼女はそう言って童磨に背を向ける
だが、走ろうとしたその瞬間
童磨が扇で彼女を殺したのだ...
そして、やっと娘を手に入れた童磨は
とても嬉しそうに微笑んでいた...
童磨(上弦の弐)
童磨(上弦の弐)
(あ~あ、大人しく渡さないから...笑
結局、俺を受け入れてくれるのは
あなたしか居ないんだ...
この子だけは俺を見てくれる♪
あぁ...可愛いなぁ///)
あなたは童磨に抱かれ、とても嬉しそうに
頬擦りをしているが、なんで母親が倒れているのか
何故血まみれなのかは、幼いあなたに
理解は出来なかった...
あなた

かーしゃ、ねんね?
(訳:お母さん寝てるの?)

童磨(上弦の弐)
童磨(上弦の弐)
うんうん、そうだよ~♪
さ、俺と一緒におうちに帰ろ~♪
鳴女(なきめ)ちゃん!
『ベベン...』
どこからか聞こえる琵琶(びわ)の音...
その瞬間、ある所に飛ばされた童磨とあなた
そして、音を聞きつけやって来たのは...
???
???
ほう...これが例の娘か...
童磨(上弦の弐)
童磨(上弦の弐)
無惨様~!そうなんです~
とっても可愛いですよね~♪
もう、食べちゃいたいぐらいです♥️
鬼舞辻 無惨(鬼のトップ)
鬼舞辻 無惨(鬼のトップ)
気持ち悪いぞ童磨...
童磨(上弦の弐)
童磨(上弦の弐)
えぇ~?気持ち悪く無いですよ~...
とにかく、上弦の鬼達にあなたを
紹介しようと思った無惨は、鳴女に命令を下した
鬼舞辻 無惨(鬼のトップ)
鬼舞辻 無惨(鬼のトップ)
鳴女、上弦の奴らを全員呼べ
鳴女(上弦の鬼)
鳴女(上弦の鬼)
ベベン...(面倒...)
はい、全員集まりました(笑)
鬼達は童磨が抱える子供を見ながら
無惨に説明を受けていた

そしてその子供が童磨の子供と知り
こんなのが父親なのかと
可哀想に思った鬼達でした(笑)
眠るあなたを無惨は優しく抱き上げた
人間は嫌いだが子供も生きてる
あなただけは殺さないでおこう
と心に決めた無惨であった...
あなた

うーん...とーしゃ?

あなたが、眠たそうに目を覚ましました
童磨はパァァと顔を明るくさせ
ニコニコとあなたを見つめた...

いつもの気味の悪い作り笑顔と違い
雰囲気がとても柔らかく
それもそれで気味が悪いと思った鬼達...
あなたは上を向くと...
お父様ではなく、知らないおじ様(無惨)がいた(笑)
あなた

あえ?とーしゃは?
(訳:あれ、お父さんは?)

キョロキョロと童磨を探すあなた...
その姿が可愛らしくて、誰もが癒された
童磨は無惨の後ろで嬉しそうにしている(笑)

そしてヒョコっと顔を覗かせると
あなたもパァァと顔を明るくした
紛れもなく親子やん...と思った鬼達(笑)
良く見れば瞳の色まで同じで...
『きゅん♥️』
無惨と上弦の鬼達の心がわし掴みされた音です(笑)
さぁ困りました...無惨はあなたを降ろしません!
だって可愛いから(笑)
だけど童磨の所に行きたいあなた...
あなた

とーしゃぁ...うぅ...グスッ
(訳:お父さんの所に行きたい...)

はい、子供を泣かしちゃいけません!
何を言ってるって?あなたが泣きそう(笑)
無惨は慌ててあなたを童磨に渡す
だって嫌われたくないもの(笑)

無事、童磨の所にたどり着いたあなたは
嬉しそうに頬擦りをして...
あなた

とーしゃ、しゅきしゅき♥️スリスリ
(訳:お父さん、好き好き)

全国のお父様は、娘に言われたい言葉No.1☆(多分...)
童磨はあなたのほっぺに『チュッチュ』しながら
自分も好きだと言っている...
なので...皆さん、童磨にドン引です(笑)
童磨(上弦の弐)
童磨(上弦の弐)
う~ん、あなたのほっぺは
モチモチでとっても美味しいなぁ~♪
可愛い~♥️
かじって食べてませんよ?カップルかっ!
てぐらいあなたにキスしてるだけ(笑)
だから童磨は上機嫌でルンルン♪
え?なんであなたを紹介しないのかって?

童磨が娘LOVE過ぎて...(笑)
ギュ~ギュ~抱き締めて離さないし
話さないんだって(笑)
猗窩座がムカついて殴ろうとしたら...
あなた

めっ!(訳:ダメ!)

あの猗窩座に瞬時に反応したあなたは
童磨の頭を抱き締める...もちろん
あなたは、小さな子供なのですから
殴られちゃったら間違いなく死ぬでしょう...
猗窩座は、そんな事にならないように
拳を寸前で止めました...だけど
こんな小さな子供が自分の速さを上回って動いた...
あなた

とーしゃ...たいたいねぇ...
(訳:お父さん、痛かったね)

童磨の頭を撫でるあなた...
娘の優しさに、もうメロメロの童磨(笑)
猗窩座の速さを上回った動きを見て
とても驚きました...が、あなたが居れば...
『鬼狩りに勝てるかもしれない!』
と思った鬼達でした

~おまけ(笑)~

ところで...鬼という生き物は
人間の肉を食べて強くなりますよね?
ここの鬼達はあなたちゃんに気を遣い
人間の形を残さぬように切り刻み
皿に乗せて食べてるみたいです(笑)

~END~

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