あなたside
とても小さな声で猗窩座さんが、囁いた...
そっか...私は、愛される為に...
それなら人間なんかいらない、無惨様達だけで良い...
どうせ、みんな...心のどこかでカナヲ姉さんと
『同じ事を思ってる』
そう思ったら、胸が痛いけど大丈夫...
猗窩座さん、ありがとう...私、すごく嬉しいよ...
猗窩座さんはニッコリ笑ってくれた
義勇は、私を心配そうに見ていた事に気付く...
ありがとう...ありがとう...
私...すごく愛されてるんだね...
人間になんか愛されなくたって良い
私には、こんなに頼もしい家族が
何人も居るんだから...
お父様と義勇と猗窩座さんは攻撃を
私は攻撃の跳ね返し、何十分も戦った...
するとお父様が、カナヲ姉さんの体に攻撃を入れた...
あ~あ...血まみれ...もう、治す事なんてしないよ?
だって、カナヲ姉さんが悪いんだもん...
私の話に集中している間に、お父様が攻撃をした...
カナヲ姉さんは、わずかな息が残っていたので
しのぶとしのぶの姉さんを隣に寄せてあげた...
カナヲ姉さんは死んでしまった...
これで良いのよ...これで...
さ、累お兄ちゃんの所に行かなきゃ!
心音が完全に止まったのを聞いて
私達は累お兄ちゃんの所へ向かう...けど
私は、とても苦しかった...
しのぶ...本当にごめんなさい
優しかった貴女が大好きだった...
ありがとう...しのぶ...
累お兄ちゃんの所に着くと
炭治郎兄さんと杏寿郎が居た...
本当は誤解して居ただけ...
しのぶは誤解してただけなんだよ...
でもね?とても言われて苦しかった
しのぶ...貴女を悪く言ってごめんなさい
だけど、悲しいの...
杏寿郎が刀をしまい両手を広げてる...
私は、あたたかな温もりが好き...
誰であっても嬉しかった
だけど、もう信じなi...いや...
2人の事は信じてる...
でも、私だって家族を失いたくない!
私だけが生きて、お父様達が死ぬなんて
絶対に嫌だ!(泣)
演技?違う...本当に怖い...
杏寿郎は悪くない、炭治郎兄さんも悪くない...
そんなのは、対応の仕方で分かってる...
でも...もう嫌!失いたくないの!
ガチャン...
杏寿郎が刀を捨てた...
鬼狩りが鬼を目の前にして刀を捨てるなんて
普通は有り得ない...
でもきっと...それほど優しい...
ねぇ...私だって杏寿郎や炭治郎兄さんの事
とっても大好きだよ?でも...行けない
だって私は『鬼』だから
杏寿郎...私、杏寿郎は温かくて好きだよ
私は信用してる...
今の姿や、態度を見て分かるから...
でも...私には家族が居る
いつだって優しくしてくれて...
私が寂しい時はそばに居てくれて
辛い時は、抱き締めてくれて
いつも私を受け入れてくれる...
だから...ごめんなさい...
『だった』なんて嘘...今も本当は大好きだよ
でも、怖いのは本当...ねぇ、杏寿郎...
大好きだから『そばに居てほしい』
って思うんでしょ?
だから大切な刀まで捨てて
私に『帰って来て』と願うのでしょ?
その願いを叶えられなくてごめんなさい...
みんな...さよなら...
パフッ...
あったかい...累お兄ちゃんあったかい...
この温もりが好き...
音は聞こえない...何にも見えない...
けど、累お兄ちゃんの心臓の音を聴くと
『鬼だって生きてる』そう感じられる...
はぁ...神様、私って最低なのかな?
『杏寿郎や炭治郎兄さん達に生きて居てほしい』
だけど『お父様達にも生きて居てほしい』
欲張りは、いけない?でも、そう願っちゃうの...
ごめんなさい...
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。