猗窩座side
あなたが俺に愛していると答えてくれた
これから先、あなたと長く暮らす為に
アイツ等を殺しておかなければ...
童磨の分身と離れた所には居る
が、正直に言ってしまえば
童磨の分身と居させておくのは、少し不安だ...
まぁ、愛しているがゆえの嫉妬だ(笑)
早く終わらせて、アイツを抱き締めてやりたい...
もう...不安にさせたくないんだ...
だから、ここで終わらせる!
弱い...弱すぎる!感情に任せた攻撃と見た
それならば...!
黄色い頭の奴は骨が折れたか...
もう長くないだろうと思っていたら...
スパン!と黄色い頭の頸を跳ねた
良い感じだ...このまま行けば勝てる!
効かないな...コイツは突進型...
避けさえすれば簡単だな...っ!柱!
遅い...遅いぞ岩柱(笑)
柱は、その程度の力なのか?(笑)
とにかく俺は、攻撃を避けつつ攻撃した
黒死牟が岩柱の頸を斬った!行ける...
あなたの為に絶対勝つ!残すは猪と女と兄弟...
全員殺す...絶対に!
思えば何百年もの間、鬼狩りを倒し続けたもんだ
今回の鬼狩りに関しては、上弦をも脅かす存在...
童磨が子供を作り、あなたを連れて来た時は
正直...鬼狩りを絶滅させる日が来るなんて
思ってもなかったな...
食い止められれば、それで良いとしか思わなかった
そう...あの時...まだ、あなたが小さな頃...
俺が童磨へ攻撃をした時、瞬時に反応して
童磨を守ろうとした...その姿を見て俺達は
『鬼狩りに勝てる!』そう思ったんだ
あなたはこの最終決戦で良く頑張ってたな...
攻撃を全て跳ね返して
俺達が攻撃しやすいようにして...
あなた...もう少しで終わる...
お前の頑張りを無駄にはしない!
女は虫の息に...ヒューヒュー喉が鳴っている
俺は『女に手出し』しない主義だ
女を殺るのは童磨に任せるとしよう...
童磨はヘラヘラと笑って、女の所へ歩み寄る
童磨が女にトドメを刺した
まぁ、あの数の氷柱が降ってくるんだ...
死んだに決まってる(笑)
死体を見た所で俺は、なんにも思わない
『あぁ、死んだのか』ってぐらいだ
そう考えると、あなたは優しい奴なんだと分かる
死んだ奴の為に涙が流せるのだから...
ケガ1つするだけでも
どうしたら良いんだと慌てるんだ(笑)
優しくて素直で可愛い、だから守りたい...
平和な世界で...
この兄弟と猪は、確か...
あなたが1番気に入っていた奴等だな...
どこが良かったんだろうか...
そりゃ嫌いだろうな(笑)
『たぶらかした』とか思ってんだろうし...
あなたは、コイツ等のどこら辺が
気に入ってたんだろうか?分からん...
とにかく、俺は鳴女に近寄り
兄弟と猪以外の死体は、綺麗さっぱり無くなった
これで良し...あなたが来ても安心だな(笑)
歯を食い縛るほど怒ってんのか?(笑)
元はと言えばお前達が...鬼狩りが悪いんだろ?
なのに何故怒る?本当に人間は自分勝手だ
あなたはそれでも良いと言い仲良くしていたんだ...
だけど堪えられなかった...
水柱の事で、人間はひどいと良く言っていた...
神様かってぐらい優しいあなた...
そのあなたが嫌がるぐらいだ
人間は相当悪い奴なんだと再認識させられる
ん?あなたを抱えたまま、童磨の分身が来た...
あなた、疲れたんだな...良く眠っている(笑)
一段落ついて、静かになっていたから...
終わったのかと思って来たんだろう
なんだか、分身の方が頭が良さそうだな(笑)
うるさい...あなたは疲れているんだ!
起きてしまったら可哀想だろ...
まぁ...あなたの事だ、例え疲れていようとも
笑顔でコイツ等に答えるんだろうな...
そう考えると、あなたは優しさの塊で
出来ていそうだな(笑)
あくびと伸びをして『疲れは吹き飛びました』
と言わんばかりの可愛い笑顔...
俺の場合...死ぬ事は考えていない
だからこそ、あなたの考えは参考になる...
男のくせにビービー泣きやがって、みっともない...
だけど、あなたは違う...男でも女でも
泣いていたら優しく手を差し伸べる
とても優しい笑顔で、手を差し伸べてくれるんだ...
『みっともない』なんて絶対言わないだろうし
思ってもないんだと、俺は思う
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!