第5話

ごめんね
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2022/02/19 22:09
キリンは招かれたハックの家へ行くと、ちょうどハックが外に出てきたところだった。
ハック
キリンさん、どうぞ入ってくださいっす。
そんなハックの声に促されてキリンは家に入った。
ハックの部屋は白と黒が印象的であり、清潔感があふれていた。
キリンの部屋とはくらべものにもならない程に片付いていた。
ハック
キリンさん、はい、これお水っす。
喉乾いているなら飲んでくださいっす。
そういいながらハックはペットボトルに入れられた水をキリンに渡した。
その水をキリンは、
キリン
おー、さんきゅ!
などと気楽にいいながら一気に飲み干すのだった。
それから、2人はいろいろな話題を楽しそうに話した。
キリンはよっぽどのどが渇いていたのか、話している間、片手でペットボトルを持ちながら時々飲んでいた。
キリン
ん…?ふあぁ、なんか眠いなぁ…。
10分ほどたってから、キリンは眠気を訴えるようになった。
目はとろんとしており、口からはわずかによだれを垂らしている。
ハック
大丈夫っすか?キリンさん?
キリン
ん・・・。あれ、おかしいなぁ…。いつもだったらこんな時間には…。
言いかけた途中でキリンは限界に達したらしく、持っていたペットボトルと床に落として眠ってしまう。
鈍い音をさせ。
入っていた水がハックの胸元に飛び散り、パーカーに大きなシミを作った。
冷たく、気持ち悪くしみわたってく。
ハック
(ごめんなさいっす…キリンさん…。)
心の中で謝罪の言葉をつぶやきながら、ハックはロープとガムテープを取り出した。
ハック
最低っす…、おれ…。
ハック
(睡眠薬なんか使って・・・、)
ハック
(しかも…監禁しようだなんて・・・!)
ハックは自分に憎悪の類の言葉を向けるものの、抑えられない気持ちがあった。





キリンさんが自分のものになればいいのに。





ゆっくりと立ち上がり、涙を流しながら低くつぶやく。
















ハックの瞳の闇は深まるばかりで。

































ハック
こんな後輩でごめんなさい…。

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