北人side
一緒に残業していた◯◯さんがいきなり熱を出した。
急いで送って行こうとしたけど、
彼氏さんと何かあったみたいで家に帰りたくないみたい。
こんなのずるいかもしれないけど、
俺だって後悔したくなくて、思わず
僕の家にどうですか?なんて誘ってしまった。
思いの外すんなりOKしてくれて、
嬉しいような悲しいような…笑
◯◯さんが落ち込み気味だったので、
優しく手をとって家に帰ろうと歩き出した時、
◯◯さんがいきなり倒れてしまった…
目を覚ますと、見慣れない天井とベットの感触。
ここは…?
あ…そうだ
私…熱があって…仕事中断して…
そのあとどうなった…?
少し頬が赤くなったように見えたのは…気のせい?
北人side
◯◯さんが目を覚ましたから
お粥を食べてもらおうと思ったら…
お粥を作っただけで、
いつもは冷たく洗(あしら)われるのに、
いつもより何倍も明るくありがとう!って…
少し、いや結構…可愛いって思ってしまった。
思わず準備してくると言って、急いで離れたけど、
ふと顔に手をあてると熱を帯びていた…
なんとか心を落ち着かせてお粥を持って寝室へ戻ると、
寝ていた◯◯さんがこちらに小走りで来た。
そう言ってお粥をベットの隣にある
小さな机に置いた。
言われた通りに◯◯さんの方を向けば、
おでこに手をおいてきた。
んなわけ…
俺を見上げてそう言った◯◯さん。
熱のせいか、目はとろんとしてて
これは我慢が効かなくなりそう…
チュッ
思わずほっぺにキスしてしまった。
口にしなかっただけ、まだ偉いでしょ?
まぁ…男はいるみたいだけど…
そう言って出ていってしまった。
さっきの…どういうこと?
それに…
私も同じく顔に熱を持ったのは…
気のせいだよね…?
next…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。