ランページのメイクの仕事を始めて
この冬で丁度4年目。
周りの人や環境に恵まれて仕事は大変楽しくやってこれた。
だけど1つ。今も上手くいかないことがある。
まぁ…そりゃ、私なんかには程遠い存在だから。
そんなことは重々分かりきってるんだけど…
メンバーの皆さんが楽屋入りして、
ここから本格的に始まるメイクの仕事。
今日のメイクは…北人さんと慎さん。
少し残念…なんて、思っちゃダメ…!
仕事とプライベートは分けないと。
げっ…壱馬さんが目の前に…
緊張…
……
壱馬side
俺達のヘアメイクをしてくれる1個下の◯◯。
そして、俺の好きな人。
◯◯は気遣いもできて、礼儀もしっかりしてて…
尊敬できるところがたくさん…。
「可愛い」より、
「美しい」とか「綺麗」って感じで…
俺のタイプも…そんな感じ。
でも、綺麗なんだけど、普通に可愛い…
いや、めちゃくちゃ可愛い。
だから…目で追ってしまって。
気付けば好きだっていう感情が芽生えてしまった。
楽屋の端にあるソファーに慎と腰かける。
ここまで来たら…もう戻れない。
それぐらいにまで、感情が募ってきている。
付き合いの長い北人が、俺と同じく
◯◯のことが好きだってことは薄々気付いていた。
けど、やっぱり引けなくて。
さっきだって、北人が声デカいせいで
2人が仲良く話しているところに少し嫉妬して。
思わず何を話してるのかって、聞いてしまった。
北人が指を指す方へ視線を向けると、
メンバー全員がこっちを見てニヤニヤしていた。
けどそんなことより
メンバーと同じく
顔を少し赤らめて気まずそうに立っていた◯◯もいた。
最悪。
next…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。