第38話

まさかの連続(Kazuma K.) 前
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2022/11/16 04:06



ランページのメイクの仕事を始めて
この冬で丁度4年目。


周りの人や環境に恵まれて仕事は大変楽しくやってこれた。

だけど1つ。今も上手くいかないことがある。


まぁ…そりゃ、私なんかには程遠い存在だから。


そんなことは重々分かりきってるんだけど…



ランペ皆
おはようございまーす
メンバーの皆さんが楽屋入りして、
ここから本格的に始まるメイクの仕事。


今日のメイクは…北人さんと慎さん。


少し残念…なんて、思っちゃダメ…!

仕事とプライベートは分けないと。


北人
おはよ~◯◯
あなた

あ、おはようございます北人さんっ!

北人
おっ、今日も元気いいね、笑
あなた

無理やりにでも
気分上げてるんですよ笑

北人
もしかして…
北人
また壱馬のこと?笑
あなた

ちょっ!シッ!

北人
あ、ごめんごめん笑
あなた

もう…なんでそんなに声大きいんですかほんと

北人
ははっ、ごめんって笑
あなた

それ絶対思ってないですよねぇ…

北人
思ってるって!笑

壱馬
「思ってる」って
壱馬
何の話し?

げっ…壱馬さんが目の前に…

緊張…

北人
あぁ…笑
北人
俺が◯◯のことを
’想’ってるってこと、?
あなた

…んえ?

北人
うそうそ、じょーだん、笑
あなた

もう…笑

あなた

今日の北人さんなんか…笑


……

北人
…なんだよ!笑
あなた

やっぱなんでもないです笑

北人
えぇ…気になる笑
あなた

だからなんでもないですって

あなた

さっきの仕返しでーす😎

北人
もう!早くメイクお願いしますっ!
あなた

フフッ…わかりました、笑

壱馬
っ…



壱馬side


俺達のヘアメイクをしてくれる1個下の◯◯。

そして、俺の好きな人。


◯◯は気遣いもできて、礼儀もしっかりしてて…
尊敬できるところがたくさん…。

「可愛い」より、
「美しい」とか「綺麗」って感じで…

俺のタイプも…そんな感じ。

でも、綺麗なんだけど、普通に可愛い…

いや、めちゃくちゃ可愛い。

だから…目で追ってしまって。
気付けば好きだっていう感情が芽生えてしまった。


壱馬
はぁ…
また◯◯さんですか?
壱馬
うん…
楽屋の端にあるソファーに慎と腰かける。



ここまで来たら…もう戻れない。

それぐらいにまで、感情が募ってきている。

さっきの北人さん、
あれ本当ですよねきっと
壱馬
やっぱり慎もそう思う?
はい、めちゃくちゃ
壱馬
やっぱりかぁ…


付き合いの長い北人が、俺と同じく
◯◯のことが好きだってことは薄々気付いていた。

けど、やっぱり引けなくて。

さっきだって、北人が声デカいせいで
2人が仲良く話しているところに少し嫉妬して。

思わず何を話してるのかって、聞いてしまった。

そんなに好きなら
早く告白すれば良いじゃないですか
壱馬
そうよな…
まぁ僕は壱馬さんも北人さんも
応援しませんけど
壱馬
せんのかい!笑
じゃあ俺のことは応援してくれる?
まこっちゃん?
壱馬
は?
は?って怖いですよ…笑
え、樹さんも…もしかして
うん、好きだよ◯◯のこと
えぇ!
壱馬
…。
えええええええあえ
北人
途中に「あ」が入っちゃってるよ
まこっちゃん、笑
え、北人さん…
今の話聞いてました?
北人
うん、皆盛り上がってて
声大きかったよ
えぇ…
北人
ほら、見て?


北人が指を指す方へ視線を向けると、
メンバー全員がこっちを見てニヤニヤしていた。



けどそんなことより


メンバーと同じく
顔を少し赤らめて気まずそうに立っていた◯◯もいた。



















最悪。










next…

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