柚姫side
確かトイレに行くって行って出てきたところを見知らぬ誰かに……
要するに私は誘拐?されたの?
手足は縛られてて口にもガムテープが貼られてるから身動きは取れないし声すら出せない。
🎼.•*¨*•.•*¨*•.¸¸🎶
私のポケットの中で携帯が鳴る。
きっと北ちゃんだ。
後ろで縛られた手で必死にスマホを取ると
ポロンっとポケットからスマホが落ちた。
ボタンを押そうとしてたらきれてしまった。
それからも何回か色んな人から
着信はあるものの肝心のスマホが触れない
その時「柚姫ー」聞きなれた声がした
自分の場所を伝えるために周りを見渡すと
ドアしかなくドアの側までスマホを持っていき
スマホでドアを叩くように打ち付けた
「柚姫?いるの?」
間違いない北ちゃんの声だ
必死にスマホを打ち付けると
ガチャガチャとドアノブが回るが
鍵がかかってるらしく開かない。
私の不安な気持ちを察したのか
北ちゃんはそういった。
しばらくすると
かずくんの声がしてトントンっとスマホでトビラを叩いた
これは臣くんの声だ
臣くんに言われて少し扉から離れる。
多分この人ドア蹴り破るつもりだ……
ドンッと鈍い音がしたけどドアはビクともしない。
ガチャガチャっと鍵が開く音がして
真っ暗な部屋に光が入る。
ガバッと勢いよく私に抱きついて
すぐ縛られてた手と脚それから口のガムテープを剥がしてくれた。
こくんっと頷くと良かったーっと
倒れ込むように私に寄りかかる。
立とうとした瞬間私は尻もちを付いた。
そう言うとスっと私をお姫様抱っこした。
ですよねぇー
北ちゃんにお姫様抱っこされたまま
ランペのリハスタに戻るとみんなが
一斉に駆け寄ってきた。
みんながあれこれ提案して結局残ったのは
私と北ちゃんだけ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!