俺が中2の頃だったろうか。母親が再婚し、父親と妹が
できた。どうせ関わらなくていいだろうと思っていたので、
軽く挨拶をするだけで済ませようとしていた。でも、
妹(あなた)を見た瞬間、何か心の奥から叫ぶような音が
聴こえた気がした。「どきん」と。
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それから私の彼氏は、突然姿を消してしまった。
原形をとどめていない、遺体で発見されたそうだ。
その頃からさとちゃんもおかしくなってしまった。
メンヘラというのか、ヤンデレというのかは分からない。
母と父は、精神科を勧められていた。
みんな、さとちゃんに関わりたくなかったのだろう。
ただ、私にだけは優しい兄だ。そう言って、精神科には
行かなかった。私達は正しいことをしたのだ。
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-それから1年後-
私は中3、さとちゃんは高1になった。
さとちゃんは異常な愛で私を愛している。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。