第5話

復讐の準備中
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2018/05/15 20:46
家に着くと母には散々怒られ、朝起きると私の朝ごはんも朝食の席もなくなっていた。
私は笑顔でキッチンに立つ。
だって私には最高の復讐があるから。
舞栄
舞栄
お姉ちゃん気持ち悪ーい
にこにこしながらご飯作ってるー
出た、母に陰口。
だが母は私に対して口を利こうともしないので今日は随分と楽だ。
私はお弁当も作り、さっさと学校へ行く。
教室にはたった一人、先についている人が居る。
美琴
美琴
おはよう…!!
神谷光紀
神谷光紀
おはよ
これは復讐の準備中。
塾へ通えない私のために、頭のいい神谷くんが毎朝勉強を教えてくれる。
神谷光紀
神谷光紀
じゃあ、この辺やってみるか。
美琴
美琴
わかった
神谷くんの勉強はわかりやすくて、1時間もあればすべて覚えてしまう。
その結果、成績は右肩上がり。
だが、母は益々機嫌が悪くなるばかりだった。
美琴
美琴
お母さん、面談のプリント書いて?
私?私が行くとでも思ってるの?
ていうか、あなた高校行くつもり?
学費なんて出さないからね?
それは、中3の冬にいわれた言葉だった。
私はスマホを取り、神谷くんに連絡する。
美琴
美琴
どうしよう、高校行けない…
神谷光紀
神谷光紀
大丈夫だから。
俺が芳賀の分勉強するから。
美琴
美琴
そんなことできないよ…
ごめんなさい…
私は気分転換に外に出る。
もう21:00だ、町は光など無く、気温はかなり低い。
薄着で来てしまったから、かなり冷え込む。
美琴
美琴
(上着着てくればよかった…)
また涙が滲み出す。
すると、遠くの方から声が聞こえた。
美琴!!
美琴
美琴
お父さん!?
私は急いで涙を拭い、お父さんのもとに駆け寄った。
なにしてんだ、こんな時間に。
私は母との出来事を細かく話した。
そうか…ごめんな、あんな母さんで。
大丈夫だからな。学費は母さんが出すんじゃあない。俺が出すから。
美琴は自分がやりたいことをやりなさい。
美琴
美琴
えっ…
泣いてるのか!?
ごめんな、父さん余計なこと言ったか!?
美琴
美琴
ううん…その逆…うっ…
嬉しかった…
お父さんはニコリと微笑む。
美琴、お前はもっと人を頼れるようにならないとな。
よし、帰ろう。
美琴
美琴
うん…
そうだ、志望校どこなんだ??
美琴
美琴
本当は門学に行きたいんだけど、公立狙いにするつもり。
なんで門学なんだ?
美琴
美琴
あそこは有名大学進学率が高いから。
そうか…なら、行けばいいじゃん。
門学に。
美琴
美琴
学費が─
何言ってんだ!
父さんは働いてるんだぞ!?
そのくらい出せる。
父の優しさを初めて感じた。
私は無事、神谷くんと門学に合格し、勉強に明け暮れる高校生活を送り、人生の大逆転を遂げる。

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