家に着くと母には散々怒られ、朝起きると私の朝ごはんも朝食の席もなくなっていた。
私は笑顔でキッチンに立つ。
だって私には最高の復讐があるから。
出た、母に陰口。
だが母は私に対して口を利こうともしないので今日は随分と楽だ。
私はお弁当も作り、さっさと学校へ行く。
教室にはたった一人、先についている人が居る。
これは復讐の準備中。
塾へ通えない私のために、頭のいい神谷くんが毎朝勉強を教えてくれる。
神谷くんの勉強はわかりやすくて、1時間もあればすべて覚えてしまう。
その結果、成績は右肩上がり。
だが、母は益々機嫌が悪くなるばかりだった。
それは、中3の冬にいわれた言葉だった。
私はスマホを取り、神谷くんに連絡する。
私は気分転換に外に出る。
もう21:00だ、町は光など無く、気温はかなり低い。
薄着で来てしまったから、かなり冷え込む。
また涙が滲み出す。
すると、遠くの方から声が聞こえた。
私は急いで涙を拭い、お父さんのもとに駆け寄った。
私は母との出来事を細かく話した。
お父さんはニコリと微笑む。
父の優しさを初めて感じた。
私は無事、神谷くんと門学に合格し、勉強に明け暮れる高校生活を送り、人生の大逆転を遂げる。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。