第2話

理不尽
125
2018/04/27 12:17
ねえ、なにこれ?
母が手に持っていたのは私が大切にしている少女漫画の一冊だった。
私は母にバレないように少女漫画は五冊しか購入していない。
だが、気づかれてしまった。
美琴
美琴
棄てるから。
こんなもの、勉強の邪魔よ。
母はそのマンガをゴミ袋に落とした。
私は全ての感情を掻き消した。

「なぜ読んだらいけないの?」

「なぜあなたに指図されてるの?」

「なぜ妹は沢山買い与えられているのに、私はダメなの?」

そんなこと、言えるはずなかった。
理由は簡単。
















──言っても“無駄”



そうやって母に言われるがままの人生を歩んできた。
舞栄
舞栄
お母さーん!
どうしたの??あら、解れてるわね?
これ縫っておくから早くバレエの準備なさい?
舞栄
舞栄
はーい!
ほら、それも。
一つしか変わらない妹に裁縫はさせない。
誕生日プレゼントだってそう。


“舞栄はバレエ頑張ってるから”


その理由で私には妹より安いものしか頼めない。
確かにバレエを頑張っているのは事実だけど、私が

“ピアノを習いたい”

と言ったら、

“あんたには無理”

と即答された。
つまり、色々と理不尽なわけだ。
誇音
誇音
みこっちゃん!!
美琴
美琴
え?!あ、コノかぁ…
びっくりしたぁ~
神谷光紀
神谷光紀
大丈夫?
こいつの声デカいから、鼓膜破れてない?
誇音
誇音
余計なお世話よ!
美琴
美琴
えっと…神谷君?だっけ??
神谷光紀
神谷光紀
そう。神谷光紀。
よろしく。
美琴
美琴
こちらこそ…!
私は芳賀美琴です。
神谷光紀
神谷光紀
芳賀って珍しいね
美琴
美琴
そうかな?
あんまり気にしてなかったから。
神谷光紀
神谷光紀
そうなんだ笑
話してみると、神谷君は意外と普通に優しいヒトだった。
賢也
賢也
なになに~?
光紀ナンパしてんのっ!?
神谷光紀
神谷光紀
してねーよ。
賢也
賢也
だよか☆(“だよね、よかった☆”の略)
お前がナンパする相手なんて、
俺以外─グホッォッ!?
神谷光紀
神谷光紀
うるさい(殺)
賢也
賢也
ごめんごめん笑
で、その子がみこちゃん??
誇音
誇音
みこっちゃん!!
賢也
賢也
みこちゃん??
誇音
誇音
みこっちゃん!!
賢也
賢也
ハイハイハイハイ。
みこちゃん、よろしく☆
俺、賢也!
美琴
美琴
うん、よろしく
彼は凄くハイテンションだ。
コノと神谷君、大変そう笑
結日
結日
なーに話してんの??
誇音
誇音
なんだ、ユカか。
結日
結日
何だってなによ…
誇音
誇音
あ、みこっちゃん知らないよね。
この子、私の隣の席の─
結日
結日
近江結日でーす
よろしく~
美琴
美琴
芳賀美琴です。
よろしくね。
近江結日。
彼女は弓道を習っているらしい。
かなりの腕前だそうだ。
彼女も人柄が良く、まじめ(?)な人だった。

私のまわりの人はとても話しやすく、いつの日かどんなときでも一緒にいるような存在になった。



















──新しい居場所

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