ー マサイ side ー
さらっとあなたの手を握ってしまった
少し前にシルクが言っていた
「 あなたは人混み苦手何だよな 」 と
… だから人混みを建前に手を握った
本当は俺が握りたかっただけなのに
小柄なあなたの手は小さくて
柔らかくて … すぐ折れてしまいそうだった
割れ物のように大事に …
包み込むように握った
少し後ろを振り返ると微かに頬を赤く染めるあなた
どうしてこんなにも … 可愛らしいのか
俺だけのものになれば 、、良いのに
そんな事を考えてしまう
ふとあなたの腕に目を向ける
端麗で透き通る程白い … 細い腕
そこにくっきりと残る赤い手跡
大きさ的に女性のものだろう
あ 、あの子達か ?
同じ学校の女子生徒
… あなたの事呼び出してたしな
顔 、、しっかり覚えとけば良かったな
白い肌に何してくれてるんだか
隠してるあなたもあなただけど
「 ちょっと寄り道して良い ? 」
俺はあなたに聞く
すると不思議そうな顔をしてあなたは頷いた
薬局にでも行ってガーゼか何か買おう
悪化されては俺も気が気じゃない
それに … シルクに俺が疑われるだろう
彼奴と喧嘩なんかしたら大変な事になる
そう思い早々と薬局へ足を進めた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。