第104話

白 い 君
792
2022/03/12 08:00


ー マサイ side ー


さらっとあなたの手を握ってしまった



少し前にシルクが言っていた

「 あなたは人混み苦手何だよな 」 と


… だから人混みを建前に手を握った

本当は俺が握りたかっただけなのに






小柄なあなたの手は小さくて

柔らかくて … すぐ折れてしまいそうだった



割れ物のように大事に …

包み込むように握った






少し後ろを振り返ると微かに頬を赤く染めるあなた


どうしてこんなにも … 可愛らしいのか


俺だけのものになれば 、、良いのに


そんな事を考えてしまう






ふとあなたの腕に目を向ける

端麗で透き通る程白い … 細い腕



そこにくっきりと残る赤い手跡

大きさ的に女性のものだろう



あ 、あの子達か ?

同じ学校の女子生徒


… あなたの事呼び出してたしな




顔 、、しっかり覚えとけば良かったな

白い肌に何してくれてるんだか



隠してるあなたもあなただけど


「 ちょっと寄り道して良い ? 」


俺はあなたに聞く


すると不思議そうな顔をしてあなたは頷いた





薬局にでも行ってガーゼか何か買おう

悪化されては俺も気が気じゃない



それに … シルクに俺が疑われるだろう

彼奴と喧嘩なんかしたら大変な事になる





そう思い早々と薬局へ足を進めた

プリ小説オーディオドラマ