ー マサイside ー
10 : 45 に集合場所の駅に到着
朝鏡の前で念入りに髪型や服装を整える
いつもなら気にしない寝癖も直して
服のシワもしっかり伸ばして
慣れないけれどこれぐらいしておかなければな…と思う
そんなに友達と出掛けるって事がないのに今回は異性…ましてや好きな人となれば話は別だ
忘れ物は無いか…と何度もベンチに座りながら鞄の中を漁る
漁っても何も変わらないのだが ←
あなたが来るまでの時間イヤフォンで音楽を聴く事にした
これ以上鞄の中を漁っても意味が無いと気付いた (((
好きな曲を聞いていると1人になった気分で周りの音が消える
そんな中微かに外から声が聞こえた
ふと上を見ると知らない人達だった
…がうちの中学の制服だ
「マサイ先輩ですよね ッ ♡」とそのグループのリーダーの様な人が言った
「え、ぁ…はい」と頷きながら答えた
「マサイ先輩お暇ですか ~ ?」と周りに居た女子が聞いて来る
怖い怖い ←
マジで誰なんだよ (((
「え…っと待ち合わせ、、してて」と下を向きながら答えた
目合わせたらヤバい気がする
「シルク先輩達とですか !?」と目を輝かせながら食い気味で聞いて来る
「いや他の人…と」と俺は答えた
「シルク先輩と御一緒なら私着いて行きたかった w」と何人かの女子が笑った
やっぱシルク人気なんだろうなぁ…
「私はマサイ先輩に着いてくけど ?? w」と数人の女子がまた笑った
いや…何で勝手に話続いてんの ??
早くどっか行ってくれないかな、、
「って訳でマサイ先輩デートしませんか ♡」と1人の女子が俺の顔を覗き込んで言ってきた
「いや…ほら人待ってるし」と俺は答えた
ハッキリ断るのも申し訳ない気がするし
うわあああ…シルク助けてぇ
「え ~… 誰待ちですか ?」と引き続き聞いて来た
「えっと… あはは」と適当に流すと
「あ、マサイー !!」と声が聞こえた
スマホを再び見ると 10 : 55 と表示されている
もうそんな時間なのか…
声がする方を見ると待っていた人が居て
いつもよりオシャレをしていた
が俺の目と反対に女子たちの目は冷めていた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。