ー あなた side ー
水族館から出ると日差しが強くなっていた
時計を見ると正午過ぎ
そう言えば少しお腹も空いてきた
「 あなたお昼何食べたい? 」
マサイはエスパー持ちなのか ?
何でジャストタイムで私の心を読むんだ
「 基本好き嫌いないけど 、」
「 あんまり並ばないとこが良いかな … 」
直射日光が思ったより強いのと
人混みが苦手な私からすると並ぶのは困る
「 近場だと … カフェとか 、? 」
そう言ってマサイは看板を指さす
確かに徒歩 10 分程
でもそれより近く
逆方向だがイタリアンがあるのではないか
「 … もしかしてマサイ 、イタリアン嫌い? 」
「 え !? 」
「 あー … 、、 」
そう言うマサイの目があからさまに泳ぐ
別に私も特別イタリアンが好きなわけではないが
少し人の好き嫌いは気になる
今後何がする時参考になるし
「 イタリアン 、って言うか 」
「 チーズが嫌い … かな 」
ぼそぼそとくぐもった声が漏れた
チーズ
何か意外だ
ハーフの人はチーズ好きそうなのに ( ? )
「 別に私は何でも良いから 」
「 カフェで大丈夫だよ 」
そういうと安心したようにマサイは息を吐いた
カフェ … 何食べようかな
私の頭は隣を歩くマサイよりカフェのメニューだ
お腹がすいた
お腹が鳴ってしまうんじゃないかと思う程
流石に男子
ましてや好きな人の親友の前
ここでお腹を鳴らす訳にはいかない
ただの公開処刑 、恥晒しだ
無意識にお腹に力を入れた
お陰で眉間に皺がよった
「 … 顔険しいけど具合悪い? 」
心配そうに下から覗き込む
あのね 、マサイ近い
もう目の焦点合わないよ
近すぎてどこ見ていいか分かんないよ
何か良い匂いする気がするし
色白で肌きめ細かいし
女子かよ
「 んーん … 考えごと 」
「 お昼何食べよっかな 、って 」
変に嘘はつかない
どうせ直ぐバレるだろうし
下手なとこで使って変な印象を与えたくない
ぐぅ 、
お腹の虫がないた
真横にマサイ
あぁ … 終わったぁ 、、
ジーザス
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。