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第110話

チ ー ズ
528
2022/11/21 08:00


ー あなた side ー



水族館から出ると日差しが強くなっていた

時計を見ると正午過ぎ

そう言えば少しお腹も空いてきた


「 あなたお昼何食べたい? 」


マサイはエスパー持ちなのか ?

何でジャストタイムで私の心を読むんだ


「 基本好き嫌いないけど 、」

「 あんまり並ばないとこが良いかな … 」


直射日光が思ったより強いのと

人混みが苦手な私からすると並ぶのは困る


「 近場だと … カフェとか 、? 」


そう言ってマサイは看板を指さす

確かに徒歩 10 分程

でもそれより近く

逆方向だがイタリアンがあるのではないか


「 … もしかしてマサイ 、イタリアン嫌い? 」


「 え !? 」

「 あー … 、、 」


そう言うマサイの目があからさまに泳ぐ

別に私も特別イタリアンが好きなわけではないが

少し人の好き嫌いは気になる

今後何がする時参考になるし


「 イタリアン 、って言うか 」

「 チーズが嫌い … かな 」


ぼそぼそとくぐもった声が漏れた

チーズ

何か意外だ

ハーフの人はチーズ好きそうなのに ( ? )


「 別に私は何でも良いから 」

「 カフェで大丈夫だよ 」


そういうと安心したようにマサイは息を吐いた

カフェ … 何食べようかな

私の頭は隣を歩くマサイよりカフェのメニューだ

お腹がすいた

お腹が鳴ってしまうんじゃないかと思う程

流石に男子

ましてや好きな人の親友の前

ここでお腹を鳴らす訳にはいかない

ただの公開処刑 、恥晒しだ

無意識にお腹に力を入れた

お陰で眉間に皺がよった


「 … 顔険しいけど具合悪い? 」


心配そうに下から覗き込む

あのね 、マサイ近い

もう目の焦点合わないよ

近すぎてどこ見ていいか分かんないよ

何か良い匂いする気がするし

色白で肌きめ細かいし

女子かよ


「 んーん … 考えごと 」

「 お昼何食べよっかな 、って 」


変に嘘はつかない

どうせ直ぐバレるだろうし

下手なとこで使って変な印象を与えたくない



ぐぅ 、

お腹の虫がないた

真横にマサイ

あぁ … 終わったぁ 、、

ジーザス

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