_あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"…!
…突如響いた声、それは…舞愛達の居る
病室にも響いていた
_白夜の静止の声は届かず…
舞愛は思い切りドアを開け放った
そこで目に入った紅い光景は
薄寂れた壁には、血流れる紅のライン
下に転がっているのは体のない腕
舞愛は、死体や大量の血を見るのは初めてだった。
生臭い、生暖かい、生きた心地がまるでしない。
_気持ち悪い。
後ろから…お姉さんの冷静な声が聞こえる…
_それは、前からも、
ニッコリと嗤いながら奥から歩いてきたのは
血まみれの〝殺人鬼〟
その証拠に…その手には
さっきの腕の持ち主であろう人の頭があった。
殺人鬼は若干、不服そうな顔をして
奥へと消えていく。
何かを伝えたがっていたようにも見えた
けれど…それは分からなかった
あの人がなんで殺人鬼?
なんか、なんとなくだけれど
あの人の目は寂しそうに見えた…
舞愛は、少し心残りを感じていた。
桜華の言葉を聞いて飛び上がる様に
思い出した舞愛達。
舞愛達は急いで、隣の部屋へと向かっていった_
╋━─
白い壁…暗い陰り
殺人鬼_ 月浪紅 は 一人。
薄暗い廊下を歩いていた
誰かを探してる_
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。