第227話

二百十三話
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2023/11/27 06:43
花園 あなた
おはよう…


あのチラシを見てからは何もやる気が出てこなかった。

早く寝ようと布団に潜り込んだはいいが、目が冴えてしまい眠る事ができずギリギリの登校になってしまった。

殺せんせー
汚物を見る目!?


先生は既に教室に入っていたようで、慌てたような声を上げている。

ドアから顔を出すと、私の存在に気づいたのか莉桜ちゃんは私の手を引いた。

中村 莉桜
ほらあなた、早くこっち来な
花園 あなた
えあ、う、うん?


私の左隣には、莉桜ちゃんが汚物を見るような目で鋭く先生を睨んでいる。

慌てる先生、汚物を見るような眼差しで先生を見るみんな。

カオス極まる現状に、先程まで落ち込んでいた心が徐々に消えていき笑いが込み上げてきそうになった。

岡野 ひなた
あなたのニックネーム見て!これ!
花園 あなた
下着ドロの話だよね?
花園 あなた
昨日渚と見たよ

笑っていられるのも今のうちだ。

私はこの記事が嘘だと信じたいが、言い逃れできないほどに特徴が殺せんせーと一致している。

となると、みんなは殺せんせーを軽蔑するだろう。

岡野 ひなた
これ完全に殺せんせーよね
三村 航輝
正直がっかりだよ
片岡 メグ
こんな事してたなんて


がっかりした、と言いたげに鋭く睨みつけているひなたちゃん達を前にして、先生は狼狽えている。

必死に違うと否定する先生は、もげてしまうんじゃないかというほどに触手を左右にぶんぶんと振っている。

殺せんせー
ちょ、ちょっと待って下さい!!
殺せんせー
先生まったく身に覚えがありません!!
速水 凛香
じゃ、アリバイは?
殺せんせー
アリバイ?
速水 凛香
この事件があった昨日深夜、先生どこで何してた?


慌てる先生に、凛香ちゃんは冷静に問う。

いつにも増して凛とした声で。

殺せんせー
何って…
殺せんせー
高度一万m〜三万mの間を上がったり下がったりしながらシャカシャカポテトを振っていました
吉田 大成
誰が証明できんだよそれをよ!!


明らかに証明する事が難しいアリバイ。

そもそも先生はマッハ20の超生物だ。

アリバイがあったとしても、一瞬で移動できてしまう先生を目撃するなんて困難。

アリバイがあっても意味が無い事なんて、私たちには理解わかっていたはずだ。

きっと、怒りや悲しみで正常な判断ができていないのだろう。

じゃあ、私が────!

花園 あなた
ねぇ、待ってよみんな
花園 あなた
信じ難い事だけど、先生はきっとシャカシャカポテトやってたと思うよ
花園 あなた
今までの先生の行動を見てたら、嘘を吐いているように私は思えない
殺せんせー
花園さぁん…!
狭間 綺羅々
そうは言っても、誤魔化す手なんていくらでもあるでしょ
花園 あなた
それは…そうだけど……。


私が何を言ってもだめ。

先生の疑いは更に増す一方だ。

どうしたら…どうしたら先生の疑いは晴れるの?

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