第229話

二百十五話
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2023/12/18 07:53
殺せんせー
そ、そうだ
殺せんせー
い、今からバーベキューしましょう皆さん!


慌てたように、先生はクーラーボックスを机の上に置いた。

殺せんせー
放課後やろうと準備しておいたんです!
殺せんせー
ホラ見てこの串!
殺せんせー
美味しそ〜で……しょ…


私達に見せようとクーラーボックスから取り出した串には、女性の下着が刺さっていた。

自分の手元に握られているものを見て、顔を青ざめる先生とは裏腹に、皆の表情は苦虫を噛み潰したような顔だった。

村松 拓哉
…やべぇぞこいつ…
片岡 メグ
…信じらんない
速水 凛香
不潔…


皆が先生に投げかけた言葉は、未だかつてないほど冷ややかなものだった。

情報整理が追いつかず、皆が先生に投げかける言葉が頭の中でぐるぐると渦を巻いていく。

突如降って湧いた殺せんせード変態容疑。

先生が犯人と言うには十分すぎる証拠品の数々に、私は目を伏せた。

花園 あなた
( 先生が犯人じゃないと信じたい )


今まで、私達のことを第一に考えていてくれた先生の姿を見ているからこそ、犯人だと認めたくない。

そんな気持ちが爆発した時、私は肩にかけていたスクールバッグを背負って教員室を飛び出していた。

茅野 カエデ
あなたちゃんっ…!?
岡野 ひなた
どこ行くのあなたのニックネーム…!


急な私の行動に、カエデちゃん達は驚いたように私の名前を呼んだ。

でも、今の私にはそれを構っている暇なんて無い。

皆が信じられないなら、信じれるように私が情報を探してくればいい…!



◇◇◇



殺せんせー
きょ…今日の授業は…ここまで…


あなたがどこかに走り去ってしまってから数時間後。

授業の終わりを知らせるチャイムと共に、か細い殺せんせーの声は教室に響くことなく消えていった。

この日一日、針のムシロとなった殺せんせーはガックリと肩を落としたまま教室を後にした。

そんな殺せんせーを見ても、生徒たちは何も思っていない様子。

寧ろ、見ないように顔を背けていたり、下を俯いている。

重い空気が教室内を漂う中、それをかき消すかのようにドアが無造作に開かれた。

花園 あなた
はぁ、はぁ…みんなっ…!


急なあなたの登場に、全員がドアの方を凝視した。

岡野 ひなた
あなたのニックネーム!?
岡野 ひなた
もう!どこ行ってたの!


最初に声を上げたのは岡野。

「心配したんだから!」と、少し頬を膨らませながらあなたに近づいていく。

そんな岡野を見たあなたは荒れた息を整えるため、胸に手を置きゆっくりと息を吐いた。

花園 あなた
ごめんね、ひなたちゃん
花園 あなた
ちょっと家に帰ってたの
茅野 カエデ
え、家?


驚いたように声を上げた茅野に、あなたは慌てて両手を顔の前で振った。

花園 あなた
あ、家って言っても私の家ではないんだ
花園 あなた
私の家の近くにFカップくらいのお姉さんが住んでてね、訊きに行ったの
花園 あなた
被害にあってないか
潮田 渚
…!!






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ずっと投稿できていませんでしたが、なんとか生きてます!!

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