第225話

二百二十一話
2,908
2023/11/08 06:28
殺せんせーはそのままどうしようもできず、時間だけが過ぎていった。

自律思考固定砲台
タイムアップ!!
自律思考固定砲台
全員逮捕ならず、泥棒側の勝ち!!


律の言葉に、クラス全員は「ケーキだー!」と喜びの声を上げている。

ハンカチを噛んで悔しそうに涙を流す殺せんせーに、倉橋はふんわりとした笑みを浮かべながら口を開いた。

倉橋 陽菜乃
なんかフシギ〜
倉橋 陽菜乃
息が合わない二人なのに、教える時だけすっごい連携取れてるよね
殺せんせー
当然です、我々は二人とも教師ですから
殺せんせー
目の前に生徒がいたら伸ばしたくなる
殺せんせー
それが教師みんなの本能ですから


いつの間にか警官の服からいつもの服に早着替えした殺せんせーは、触手をうねらせている。

寺坂 竜馬
立派な事言いやがって汚職警官が
寺坂 竜馬
泥棒の方が向いてんじゃねーのか?


ギロリと殺せんせーを睨む寺坂は、殺せんせーの肩をバシッと叩いた。

殺せんせー
にゅやッ
殺せんせー
何を言います、聖職者に向かって!!
殺せんせー
この先生が泥棒なんてするはずが…


そう言っている殺せんせーの近くに一枚の新聞が飛んできた。

この後、殺せんせーが濡れ衣を着せられるのはまた別のお話────。




◇◇◇


一方その頃のあなたは、水の中から上がってタオルを体に巻いている最中だった。

花園 あなた
この季節に水の中入るのはちょっと危険だったかな
花園 あなた
風邪引そうなんだけど…


くしゅんと数回くしゃみをするあなたに、渚は申し訳なさそうにあなたを見据えた。

潮田 渚
僕達だけで入っても勝つ事はできたんだから、無理しなくてもよかったのに
花園 あなた
私も捕まりたくなかったの
花園 あなた
初めてのケイドロだったから

水も滴るいい女とはまさにこの事。

水に濡らされた白銀の髪は、太陽に照らされて一際美しい。

岩の上に座りながら足先を見つめるあなたを、優しい眼差しで見つめる渚は「そろそろ僕達行くね」と杉野と教室に戻って行った。

その後ろ姿を見ていたあなたは、徐々に近づいてくる足音に気づきながらも日差しに照らされ煌めく水に視線を逸らした。

花園 あなた
……っ!?
赤羽 業
ははっ、びっくりした?


突然温かいものが頬に触れ、あなたは肩をビクつかせて勢いよく後ろを振り返る。

悪戯な笑みを見せるカルマを少し睨んでやると、「ごめんごめん」と笑いながら温かいものを差し出してきた。

赤羽 業
体冷えると思ったから、これ


ココアを差し出してくるカルマの顔と手元を交互に見て、少し申し訳ない気持ちもあるが有難く受け取った。

花園 あなた
ありがとう、これがスパダリってやつ?


ふはっと笑いながら受け取った缶を頬に当てるあなたを見て、カルマはしゃがみ込んで額に張り付いた前髪を流してやった。

花園 あなた
なに?
赤羽 業
別に、可愛いなって思っただけ
赤羽 業
…早く帰ろーぜ、寒いし


先を進むカルマの後ろ姿を見つめるあなたの頬は、ほんのりと赤く染まっていた。

その赤く染まった頬の理由に気づくのは、また別のお話────。




────
カルマとあなたちゃんの「 友達以上恋人未満 」みたいな関係本当に大好き💓

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