第11話

story eleven
272
2018/07/15 12:04
私とクロはいろんな屋台を回った。
前は時間がなくて全然回らなかったけど、今日はたっぷり時間がある。
どんどんいろんな屋台を回ろう。















クロ
はい
ひらみ
ん?あーありがとう!
クロが、わたあめを買ってきてくれた。
一口食べてみる。
すると、あまくてふわふわしたのが口の中に広がってすぐに溶けた。
ひらみ
おいしい!
クロ
本当か!?
クロがわたあめを口の中に入れた。
クロ
んー!めっちゃうまい!
ひらみ
でしょでしょ?
クロ
これを今まで食べなかったなんて損してたなぁ
ひらみ
こういうのは死神の世界には無いの?
クロ
無いよ。暗くて寂しくて、仕事のことに関するものしかその世界には無いんだ。
ひらみ
そうなんだ……
クロ
だから、俺は今、すごい得してるね!
クロ
全部、ひらみのおかげだよ。ありがとう。
ひらみ
そ、そんな!私は何も!
グイッ
ひらみ
!?
クロが私を自分の方に引っ張って、抱き寄せた。
ぎゅっ
クロ
俺は死神だ。でもこんな気持ちは初めてなんだよ。
クロ
ひらみが愛おしく感じるんだ。
ひらみ
え…?
今、なんて言った?
愛おしく感じる?
どうゆうこと??
クロ
お前と出会った頃は、お前を殺すことしか考えていなかった。
クロ
でも、お前と一緒にいるうちに、ひらみを殺したくない、幸せになってほしい、ずっと笑顔でいてほしいなんて思うようになったんだよ。
ひらみ
な、何言ってるの?
ひらみ
あなたは死神でしょ?
ひらみ
私を殺すのが目的なんでしょ?
クロ
俺は、お前を殺したくないんだ。

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