いだだだだだ。
真っ赤に腫れ上がった所に氷のうを当てると、
あなたは顔をしかめた。
思わず叫んでしまったため、
日向は更にテンパる羽目になった。
これ以上迷惑かけてらんないや。
1回目。
あなたは心の中でカウントした。
知らない人が名乗りを上げてくれた。
爽やかな人だなぁー。
そこにいるだけで周りの空気が変わる感じ。
ぼやっと眺めていた。
ニヤニヤと背の高い人が言う。
まるで大人に歯向かう子供みたい。
あなたは思ってしまう。
そう言って、あの二人のことを思い出す。
にかっと笑う彼。
まぶしっ!!
太陽を間近で見たようなくらむ感覚を感じた。
教室に適当に入って、適当に椅子に座る。
沈黙が2人を包んだ。
沈黙に耐えられなくなったのはあなただった。
単純に技術の差もあるけど、
と菅原は自嘲気味に笑う。
力が入って腫れた所が痛む。
でも続けた。
照れて笑う菅原に我に返り、
赤面する。
きょとんとした菅原にぽかーんと口を開けた。
数秒してばっと顔が赤くなる。
言い淀むので更に菅原が身を乗り出す。
俯いて早口で言ったあなたに、
菅原は真っ赤になって慌てる。
がらがらっっ!!
唐突にドアが開いて、
頭が真っ白だった2人は揃って悲鳴を上げた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。