うぅ〜っと大きく伸びをする。
隣で潔子がぽん、と肩を叩いた。
メニューはもちろんカレーだ。
こんな大人数におかずとか作ってたら
時間がいくらあっても足りないくらいだから。
月島や山口、研磨などを除いた男たちが
勢いよくカレーを平らげていく。
おかわり、おかわり、と次々に差し出される皿に
急いでカレーを注ぐ。
ようやくみんなが満腹になるとマネージャー組3人は
その場にへたりこんだ。
きゃっきゃとはしゃぎながら皿を洗う。
3人が皿を洗い終えるとちょうど皆が戻ってきたので
風呂場へと向かった。
男湯と女湯はもちろん分かれているのだが
マネージャーの仕事を組み込んだためだ。
合宿用に造られたようなものなので
そう広くは無かったが
3人にとって想像より広かったので満足だった。
もう特に仕事もないので、
ゆっくり湯船に浸かるタイプのあなたは
2人があがった後ものんびりまったり満喫する。
鼻歌を歌っているとそのうち眠くなってきて
のそのそと風呂場から出た。
男子棟と女子棟は1度外に出て少し歩く程の遠さで、
その真ん中に距離を埋めるかのように
風呂場やら食堂やらがあるイメージだ。
もちろん外は真っ暗。
湯冷めと寂しさを紛らわすように
スキップしながら歌を歌う。
人影があった。
その人影は揺らめいて手を伸ばす。
かと思うと、こちらに向かって走ってきた。
ぶわっ。
黒い影が肩をすり抜けてあなたは倒れた。
影は何か呟いてあなたを抱えると走っていった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!