第4話

#3
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2019/07/24 11:02
朝。


あなたはご機嫌で学校に来ていた。


昨日リエーフと仲良くなれたからである。

すっかり打ち解けてしまって、
やっぱり付き合ってんのかと春に言われる程だった。


味方がいればそう怖くない。

昨日みたいになんか言われても、
きっと春が守ってくれる。


下駄箱を開けた瞬間だった。


どささささささささっ
あなた
あなた
わああああああぁ!?
封筒が沢山落ちてきた。




昨日の朝の写真事件は春から聞いていたので
朝なるべく早くに学校に来たのだが、
どうしてこうなったのだろう。

ただ時間が時間なので、
教室に行けばある程度の特定は確実だ。
でも。


犯人、知りたくないな。
あなたは思った。

犯人をここで知ってしまったら、
その人にトラウマを抱えてしまいそうだった。


でもいじめと言うよりは、なんだか違う気がした。
それだったら封筒なんかに入れるだろうか、と。
でも中身を見ないことには何も分からない。




あなたは1人、静かなトイレに行った。
誰も居ないのを確認して、
個室でひとつひとつ封筒を開けることにした。
あなた
あなた
…嘘でしょ
封筒には1枚ずつ写真が入っていて、

その写真はあなたの心を打ち砕くものだった。



女の子が血だらけで
もう「もう1人の女の子」を睨んでいる写真。

その「もう1人の女の子」はバットを持っていた。
黒いマスクをつけて、
髪を赤く染めて・・・いた。


何故地毛じゃないと思ったか。

私は、その人の地毛をよく知っている。



右目の泣きぼくろに、
青と紫の中間ぐらいの色の瞳。

あなた
あなた
どうして春が…!
別の写真では、
その子と肩を組んで笑いあっていた。

ご丁寧にも全て日付け付きで、
この笑っている写真は、
あの血だらけの写真の前。


つまり、仲の良かった友達をああしたということ。


他の写真では大勢の男の人と一緒に、

1人の同級生らしき人をいじめたり
ペンキで落書きされた壁の前でピースしたり。


まごうことなき不良だった。



つまりこの封筒は、告発状。
誰かが私に対して、
「春は危険」
というメッセージを送っているのだ。
あなたはぼろぼろと涙をこぼした。
あなた
あなた
…もう、誰も信じられない
あなたは荷物を掴んで学校から飛び出した。


























それ以来、あなたは学校に行かなくなった。

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