- 翌日
治:……
( 結局はぐらかされて教えてくれんかった…クソツム…… )
角名:どうしたの
治:…!!角名……
角名:?
治:…俺は確信が欲しいんや
角名:え?
治:なぁ角名,教えてくれ
角名:?何を?勉強?
治:ちゃうわ!!
角名:じゃあ何
治:…俺が記憶を失う前…付き合ってた彼女はあなたか?
角名:……!!
治:……
角名:…どう思う?
治:……確かにそれなら退院してからのみんなからの目や噂も納得できるし…朝早くからあなたが病院にいたことも納得できるし…何より自分の気持ちに納得がいく
角名:……でもさ
治:…?
角名:例えそうだったとしたら…治,かなりあなたのことを傷つけたんじゃない?
治:ッ……!!
角名:仮にあなたが彼女だったとしたら…まず本当の彼女を差し置いて他の女と付き合ったんだよね?
治:ッ…
角名:その偽装彼女の言うことを鵜呑みにして治は本当の彼女に酷い態度をとった。挙句の果てには手を上げたことになる
治:ッ……!
角名:……何もしてない子に酷いことをしたよりも……実の彼女に酷いことをしたってことは…治は自分を許せるの?
治:……許せへん
角名:…なら…… 治:でも
角名:…?
治:……それなら謝らんとあかん
角名:え?
治:…あなたが俺の彼女だったとして,酷いことをしてもうたのは事実や
角名:…
治:でもその事実がある限り俺はあなたに謝る必要はある
角名:……
治:…それに本気で好きになったんや
角名:え…
治:…自分の気持ちに嘘はつけん
角名:…ハハッ
治:?
角名:どうしてそうあなたを想う人ってどいつもこいつもかっこよく見えるんだろうね?
治:え?
角名:治といい侑といい…同じ人を想って同じ目をしてるよ
治:…?
角名:……あなたは治の彼女だよ
治:…!
- 俺は全てを角名から聞いた
時間は巻き戻らない
やってしまった事を取り消すこともできない
あの子が今,俺をどう思っているかなんてわからない
でも俺は
この気持ちを伝えたい
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!