翌日 朝練
角名:あなた,もう大丈夫なの
あなた:うん,心配掛けてごめんね( 眉を下げて微笑んで )
角名:1番心配してたのは侑だから
あなた:え?
侑:要らんこと言うなや角名
角名:はいはい
北:あなた
あなた:…!北さん!ご迷惑おかけしてすみま……
北:痩せすぎや
あなた:……え?
北:休んどった間何も食うてへんのやろ
あなた:う"……
北:ちゃんと食わんと折れるで
あなた:お,折れないです…!
北:また倒れたりなんかしたらあれやしな。あなたおらんと調子でん奴沢山おるし
あなた:……!
北:…迷惑だとは思っとらんけど,自分の身体は大切にしぃ
あなた:はい…!
治:……
朝練が終わり
あなた:治くん…!
治:!?……なんや
あなた:あのね,話があるの
治:……?
あなた:話したくないかもしれないけど…耳に入れて欲しい。別に場所変えてとかも言わないし…あたしはここで言う
治:……
侑:……
あなた:……まず,色々迷惑掛けてごめんなさい( 頭を下げて )
治:え…?
侑:は…?お前が謝る意味……!!
角名:( 侑を止めて )
あなた:……嫌な思い…させてごめんね,あたし……もう2人の邪魔とかしたりしないから安心して?
治:……
あなた:……あと…あたしのこと…忘れてるのは事実なんだよね
治:……
あなた:…思い出そうとも別にしてなかったとは思うけど一応言わせて
治:……?
あなた:……あたしのこと…思い出さなくていいよ
( 今までで1番哀しそうな顔で微笑んで )
治:え……
あなた:…それだけ!ほら,部員とマネージャーって関係でこれからも練習で関わっていくと思うし…ね
治:……
あなた:……話聞いてくれてありがとう
( 哀しそうに微笑んだまま体育館を出て行き )
侑:あなた!!!!( 追い掛けて )
治:………
角名:……( これがあなたの出した答え,か… )
治:……なぁ角名
角名:ん?
治:……謝られて…思い出さんでええって言われて…すっきりしたはずなのに…今まで以上に何か引っかかるものがあるんやけど……なんやこれ……
角名:……さぁね( 俺はあなたの邪魔はしないよ,治 )
侑:ッ( 腕を掴み )
あなた:ッ…!!
侑:……ほんまにええんやな?
あなた:…うん( 眉を下げて微笑んで )
侑:……( 抱き締めて )
あなた:……!侑く…… 侑:好きや
あなた:え……?
侑:…今まで何度も伝えてきたけど伝わらん
あなた:侑くん……( 眉を下げて )
侑:……弱さに漬け込むことを許して欲しい
あなた:え……?
侑:俺は……
治:……( 体育館から出てきて )
あなた:……?
治:…?( 何やっとるんやあの二人… )
侑:……今度こそサムからお前を奪ってみせる
あなた:え……?
治:……?( 俺から…奪う…?彼奴を…? )
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!