第72話

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2021/04/17 13:51






- 東京駅





治:……



結々:……治くん……



遥香:……何かの間違いよな



奏音:……



ドンッ



治:ッ…すみません……



兄:いや,こっちこそすみません急いでて…って……



治:……!



侑:……!あなたのお兄さん…!



結々:え!?



兄:君たちはあなたの……!東京に来てたのか…



治:は,はい…まぁ……



侑:そんなに急いで何処行くんです?



兄:…!そうだ…!あなたが倒れて病院に搬送されたって…!



治:……え?



兄:連絡貰って今寮飛び出してきたんだ…!



結々:倒れたって…何で……



治:お兄さん



兄:?



治:…俺も行きます



兄:え?でも今から帰るんじゃ…



治:彼女放って帰れません…!!



結々:…!!



兄:……わかった



侑:俺も行く



結々:私も行く…!



遥香:え…!



角名:……俺が2人を送るから



奏音:え?



角名:……治,ちゃんと話してきなよ



治:…!おん



結々:ごめんね遥香,奏音…!



遥香:あなたのこと頼んだで!



結々:わかった!!



奏音:…( 心配そうな顔をしていて )



角名:……あなたなら大丈夫だよ,きっと




















- 病院






ガラッ




兄:あなた…!



黒尾:…!



治:…!お前……



黒尾:何,東京( コッチ )来てたんだ



治:……



兄:あなたは……



あなた:……



( 点滴,鼻カニューレを付けて眠っていて )



結々:あなたッ……



兄:すまない黒尾くん。あなたのこと任せ切りで…



結々:え?



侑:……?



黒尾:いえ,大丈夫です。コッチで支えられるの今俺しかいないと思うんで



治:……どういうことや?



黒尾:どういうことって?何?



兄:……俺は寮から出て生活は困難だからさ,あなたに母さんのこと全部押し付ける形になっちゃってたんだけど……



治:……?



黒尾:洸太さん,話は俺からしとくんで大丈夫です。また目を覚ましたら連絡するんで休んだらどうですか?



兄:…サンキュ,んじゃ頼むわ



( 病室を出て行き )



侑:…んで?何でお前が此処におるん?



黒尾:…さっき言われた通り,俺は洸太さんにあなたを任されたから



治:?



黒尾:……アンタらさ,精神状態不安定の人の看病なんてしたことあるか?



結々:え…?



黒尾:俺はあなたがいない間,母親のことは俺が見てたからよくわかる



治:……



黒尾:…意外としんどいんだぜ?精神状態がずっと不安定で……こっちまでおかしくなってくるって思うくらい



結々:え……



黒尾:……そんな母親とあなたは毎日長時間一緒にいる



治:……!



黒尾:……わかるよな?あなたが今どんな状態か



侑:……



黒尾:…わかんねぇか,あなた隠しそうだもんな



治:……



黒尾:自分が寮から出られない分誰かにあなたを支えて欲しい,ってことで俺が洸太さんに頼まれたんだ



治:……



黒尾:あなたがコッチ戻ってきてから数日後に顔だしたけど…案の定もうおかしかった



治:え……



黒尾:心ここに在らずっつーかなんつーか…飯もろくに食わねぇしあなたの精神状態もおかしくなってた



治:……



黒尾:まぁあなたはそんな実感がなかったんだろうな,お前に相談しないくらいだから



治:……!



黒尾:無理しねぇように俺は朝は病院に送って帰りは部活終わりに病院に迎えに来て家に送った,それだけ



結々:え……?じゃあ貴方の家にあなたは……



黒尾:何の話?俺実家暮らしだし別にあなたは俺の家に来てねぇけど



治:……!



侑:………



黒尾:まぁやばそうな時は俺があなたの家に泊まったりはしたけど精神状態やばい奴に手ぇ出せるほど俺も鬼畜じゃねぇし何もしてねぇよ



治:……



黒尾:……さよならって言ったのか?



治:え?



黒尾:……あなたに,さよならって言ったのか?



治:……!



黒尾:それはどういう意味?別れようってこと?もう会いたくねぇってこと?



治:違ッ……



黒尾:あのさ,そういう中途半端なことしてあなたを傷付けんならちゃんと別れてくんね?



治:……!



黒尾:お前らがさっさと別れてくれれば俺だって容赦無くいけるんですケド



治:……絶対に別れへん



黒尾:ならそんなくだらねぇこと言ってあなたのこと傷付けてんじゃねぇよ!!( 怒鳴って )



結々:ッ…( ビクッとして )



黒尾:……彼氏なんじゃねぇの?



治:……



黒尾:…あなたがどれだけ裏切りで傷付いてきたか……わかってんじゃねぇの………?



結々:……



( 何でそんな哀しそうな顔をするん…? )



黒尾:……裏切ったわけじゃねぇ…でも勘違いさせて傷付けたのは俺だ……後悔しかしてねぇよ……



治:……!



黒尾:……でも…後悔したって戻って来ねぇもんは戻って来ねぇ……今まで隣にいるのが当たり前だった人だって…一瞬でいなくなることなんてよくある話なんだよ……



治:……



黒尾:……あなたが今1番そばにいて欲しいのは






































もう,俺じゃねぇ









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