その日の午後練終わり 部室
銀島:あなた大丈夫なんかなー…
侑:朝には目ぇ覚ましとったし特に病院からも連絡ないから大丈夫やと思うけど
角名:とか言って心配な癖に。練習全然集中出来てなかったじゃん
侑:なッ…うるさいわ!
角名:ほんとのことを言っただけでーす
治:…お先です
銀島:おー!治お疲れー!
侑:…まだあの女と帰るん?
治:…今日で最後や
侑:は?
治:…ちゃんと終わらせる為に帰るんや
帰り道
治:紗羅
紗羅:…?
治:…寄りたいとこあるんやけどええ?
紗羅:…?うん…?
病院
コンコン
あなた:?はーい!
治:よ( 紗羅と一緒に入ってきて )
あなた:…!治くん…!
紗羅:……
治:体調はどうや?
あなた:うん,身体もあまり痛くないし平気だよ( 笑って )
治:そか………あのさ
あなた:……?
治:……もう終わりにしよう
あなた:え……?
治:……もう終わりにしようや
………紗羅
紗羅:ッ……!!!!
治:…まぁ終わりにしよう言うてもなんも始まっとらんけど
紗羅:……なんで…?
治:俺の彼女はあなただからや
紗羅:ッ……!
あなた:治くん……
治:確かにお前のこと引きずっとったかもしれん。でも俺はやっぱりあなたが1番大事で1番守りたい……やっと手に入れた俺の好きな人なんや
紗羅:ッ……( 眉を下げて )
治:……色んな事があって不安が押し寄せてお前に支えられてたのは事実や……すまんかった
紗羅:謝らないでよッ…!!!!
治:……
紗羅:ッ……謝って欲しくて近づいた訳じゃないのに…
治:……すまん
紗羅:謝るなら付き合ってよッ…!!!!( 涙を流して )
治:……それは無理や
紗羅:え……?
治:……もう二度と…あなたを傷付けたくないんや
紗羅:ッ……!
あなた:治くん……
治:……せやから…もう終わりや
紗羅:ッ嫌……!!!!
侑:往生際が悪いで
紗羅:ッ!!
治:ツム…
侑:俺に近づく為にサムと付き合って,サムのこと裏切っといて今更何なん?
紗羅:ッ…!!
あなた:え……( 他の男って……侑くんのことだったの……? )
侑:……キスしてる写真,全部ばらまいたのお前やろ
紗羅:ッ…!!
あなた:え……
治:…そうだったんか…
侑:散々サムを傷付けといて今更結ばれて幸せになろうなんて甘い考え捨てろや
紗羅:ッ……
侑:……サムはあなたのことを救ったかもしれん
治:え?
あなた:…?
侑:…でもサムを救ったのもあなたや
治:……!
あなた:侑くん……
侑:…2人の邪魔をしてええのは俺だけや
紗羅:ッ( 病室を飛び出して )
治:……ツムに邪魔されんのも嫌なんやけど
侑:はぁ!?何言うてんねん!!俺は一生邪魔するわ!!
治:したらツムは一生彼女出来ひんな
侑:なんやて!?
治:病人の前やで?静かにしぃ
侑:なッ…
あなた:( クスッと笑って )
侑/治:?
あなた:…2人とも,ありがとう( 微笑んで )
治:……!おん( 微笑んで )
侑:俺は諦めへんからなー
治:諦めろや
侑:嫌や
治:……
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。