第14話

もう寝ちゃうの…?
7,137
2020/03/04 18:35
「あー、うらさん、これどうする?」


と少し焦りながら坂田が言った。


「とりあえず、帰宅手段探すか…
まずは…タクシーに電話…」

と、うらたがスマホを取りだした時、近くにいた人からある会話が聞こえた。


『やっぱ、タクシー来れないって、土砂崩れで道塞がれててこっちまでこれないそうよ〜』


その会話が聞こえた瞬間、坂田とうらたは顔を見合わせて唖然とした。


「ねぇ、うらさん、、まじでどうする?」


「こうなったら、どっか泊まるしかないよな…?
とりあえず、泊まれるところお互い探そう。」


そう言って2人はスマホで近くの泊まれるホテルを探した。
しかし、この土砂崩れの影響か泊まれるホテルが見つからず調べ始めてから約15分後、坂田が

「あった!…けど…、ダブルベッドしか空いてないって…うらさんそれでも大丈夫?」

少し坂田が心配そうに聞いた。

「しょうがない、緊急事態。
……てか、付き合ってんだから別に何も問題ないだろ…」

と、うらたが濁すように言った。
その言葉が聞こえたのか、坂田は心配そうな顔から安心したような顔に変わり、うらたの手を握り、

「じゃあ、いこっか」

と、優しい声で言った。







--------------------------------------------------------------------



「んー!ついたー!」

と、ため息混じりに言いながら坂田が布団にダイブした。そんな坂田を横目にうらたが


「とりあえず俺ら雨でびちゃびちゃだし、お風呂入るか〜」

と言った。
すると坂田は少しニヤッとしながら


「ここって温泉…あったはずだけど…」


「あー、そう言えばあった気が…す、、る…」

言葉をいいかけると、うらたは顔を一気に赤くした。

「お、おまっ…//」


「うらさ〜ん?思い出した?
林間学校のときのこと…」

とニヤニヤしながら坂田が言った。


「きょ、今日は出来ないからな…!!//」

「ん〜、わかってるって〜
うらさん、なに想像したん…?」

と、うらたの耳元で囁いた。


「…!//」


「なに期待したん…?
なぁ…うらさん…?」


そう言い、坂田の舌がうらたの耳へ近づいた時、





プル ル ル ル ル




部屋にある固定電話が鳴った。




「はぁ。
(今いいところやったのにぃ…)」

と、ため息をつきながら坂田はうらたから離れていき音のなる電話の方へ近づいた。



「はい、もしもし」

「あ、はい、大丈夫です。お願いします」




ガチャン





「あー、えーと、夜ご飯19時に部屋まで持ってきてくれるって」

と、坂田が気まずそうに言った。


「そ、そうか…。」

うらたも気まずそうに答えた。


「今17時半でまだ時間あるし、温泉先入ろ?」

坂田がへらっと笑いながら言った。


「…うん!」

気まずい空気は消え、2人は温泉に向かった。





--------------------------------------------------------------------




「んんっー!温泉気持ちよかったー!」

と、部屋に戻ったうらたが伸びをしながら言った。



「そうやなー!
雨のせいで露天風呂には入れなかったけど…
(あと、人多すぎてうらさんになにもちょっかい掛けられなかったし…!!!)」

「なに、葛藤してる顔してんだよっ!」

と言って、坂田の頭に軽くチョップをした。



「いでっ、!
なんも葛藤なんてしてへんよ〜うぅ…いたぁ…」

頭をスリスリしながら坂田が言った。



「それにしても浴衣があるなんていいよな〜」


「そうやなぁ〜この浴衣ちょー、着心地いいし
あと、浴衣うらさんはレア…っ!!SSRっ!!」

カシャ、カシャカシャカシャカシャカシャカシャーーー


そう言いながら坂田はスマホのカメラをうらたに向けながら連写した。



「お、おい!とるなぁー!///」





コンコン



ノックの音が鳴った。






--------------------------------------------------------------------



「「おぉー!」」



2人はテーブルに並ぶ数々の料理に感動していた。



「めっちゃ美味そう!!早く食べよ〜」

と目を輝かせながら坂田が言った。



「ん、じゃあ、」

「「いただきまーす!」」









料理をほぼ食べ終わったところでうらたが

「しゃかたぁ〜」

と呂律の回っていない声で坂田の名前を呼んだ。


「えっ、うらさんどうしたん…?!
顔真っ赤…、、えっ、?なに、酔ってるん…?!」


顔を赤くしているうらたにびっくりした坂田はあたふたとしていた。


「…お酒とか未成年だからのんでないはずなんやけど…………。
まさか…さっき出てきた料理の、、んー、、なんやっけ、あっ!鮭の酒蒸し…!!
料理持ってきてくれた人が本物の日本酒使ってるって…えぇーー、アルコール飛んでるやろ…!!
うらさん酒弱すぎかよ〜…
たしかに、結構お酒強い感じはあったけど…
とりあえず、隣の部屋の布団までうらさん運ぼ…」


うらたのもとへ近づき、うらたの左手を自分の肩へ乗せ、お姫様抱っこをし、

「(うわ、軽っ…)
うらさん暴れないでな〜」


「ん〜、、、さかたぁ〜?」


「うん、そうだよ、坂田だよ」

と優しい声で言った。


「ふふ、さかただぁ〜、んー、すきぃー」


いつもは出さないような甘い声でそう言いながら、坂田に頬をスリスリした。


「…かわいすぎやろ…
(据え膳食わぬは男の恥とか言うけど、、これは襲っちゃだめ…だめだぞ!坂田ぁー!!)」



布団へ着いた坂田はうらたを布団の中へ寝かせ、

「うらさーん、ゆっくり寝てね」

と言いうらたの頭を撫でた。


「ふわぁ…ん、俺も眠いし…寝るかぁ…」


そう言いながら、坂田は布団に潜り込りこんだ。
布団に入った坂田に、うらたが坂田の背中を人差し指でツンツン、と触り、







「ねぇ…、さかたぁ、、もう、ねちゃうの……?」







と、潤んだ目で言った。
























作者
最後まで読んでくれて
ありがとうございます!✨
作者
お久しぶりです!
作者
んー!
やっぱり、さかうらは尊いものですなぁ!
作者
次回もお楽しみに!

プリ小説オーディオドラマ