プカー…
「(あー、海きもちぃ〜)」
「あ!うらさんだけ浮き輪ずるい!!
俺も俺も〜〜!」
坂田はそう言いながらうらたの乗っている浮き輪に飛びかかった。
「うぉ!沈む…っ」
バッシャーーン!!
「こらー坂田!危ないだろーもう」
「いやー、かわいいうらさんがいたものでつい笑
すまぬ〜笑」
坂田がへらっと笑いながら言った。
すると、うらたは顔を赤くした。
「もぉ〜うらさんすぐ顔赤くする〜笑」
「…先輩をバカにしやがって、、」
うらたが頬を膨らませながら言った。
そのうらたをみて坂田は無邪気に笑った。
「はー、笑った笑った
笑いすぎてお腹減ってきたんやけど」
と、まだ笑い終えていないような喋り方でうらたにお昼を促した。
「もう時間も12時過ぎてるし、お昼にするか」
「やったー!」
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お昼ごはんとなってさっきよりテンションが上がった坂田がルンルンした声で、
「お昼どーするー?海の家?」
と聞いた。
「あー、いいね、海の家」
と、うらたはいつもと同じテンションで答えた。
海の家のメニューを見た。
「俺はー」
「うーん」
「「ラーメン!」」
2人の声が揃った。
「ははは、うらさんおそろいやねー!」
「お前が合わせたんだろー?」
「ちなみに味は?」
とうらたが。
「「もちろん、醤油!」」
と、お互いの声が重なり2人とも幸せそうに笑った。
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「あー、ラーメン美味かったー!」
と言いながら、うらたが海の家の椅子に寄りかかった。
「んー!あれは美味しかったな〜」
坂田も同意見だったようだ。
「あーー、でもやっぱ夏は暑いなぁ…
坂田アイス食う??」
「食べる食べる〜!」
うらたが席を立ちながら坂田に聞いた。
「バニラとチョコ味の2種類あるけどどっち派?」
「うーん」
坂田が少し考えたあと、いたずらに笑いながら、
「俺はうらさん派♡」
と言った。
「……っ!??///
い、いまは味の話してんだよ!//」
うらたが耳を赤くしながら言った。
「うらさん照れてんの?w
すーぐ赤くなる〜かっわい〜」
「かわいくない!//」
うらたがさらに顔を赤くして言った。
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「おぉー!夕焼け綺麗〜!」
と、堤防に座っているうらたが思わず感嘆の声をあげた。
それに続くように坂田も夕焼けの方を見て、目を輝かせながら
「ほんとやなぁ…」
と、呟いた。
坂田は目を横に流しうらたの横顔を見た。
「(……でもまぁ、うらさんの方が夕日よりもよっぽど素敵やけどな…)」
坂田の視線に気づいたのか、うらたは坂田の方を見て
「なーに、ジロジロ見てんだよっ!」
と、坂田に軽くデコピンをかました。
「痛てぇっ!」
不意にデコピンされた坂田はおでこに手を当てて、
「うらさんひどい〜」
といった。
「で。なんで俺の顔見てたの?」
「いや、それは…」
と、誤魔化すように笑った。
「(うらさんの横顔が綺麗すぎて見てたなんて言えないぃ〜)」
「ふーーん…まぁいいけど………坂田、目閉じて…」
「?!(またデコピン!?)まぁええけど…」
と、坂田が目を閉じた。
ちゅっ
うらたが坂田の頬にキスをした。、
「?!!?!」
坂田がキスをされた方の頬に手をあてて顔を赤くした。
うらたが目を逸らしながら、
「……///…口にするのは…恥ずかしいから…」
「ねぇ、うらさんこっち向いて?」
「…?」
坂田が右手でうらたの頬を触った。
ちゅ…っ…。
「おかえし♡」
「……あっさり口にしやがって…!!///」
「自分から普段してこないうらさんが頑張ってしてくれたことがかわいくてなぁ…食べたくなっちゃった♡」
「食べたく…って、おい!
そ、そういうのは…人のいないところでっ…//」
「人がいなかったららいいんや〜?」
坂田がいたずらに笑った。
「まぁー、そろそろ日暮れてきたし、帰る準備するかー。」
と、うらたが言った。
「そうやな〜、なんか曇ってきたし…」
坂田がそういったのとほぼ同時に、
ぽつ…ぽつ…
ざあああああああああああああ
「「雨かよ…!!」」
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2人は急いで帰る支度をし、駅へと走った。
「おい…まじかよ…」
駅にある小さな電光掲示板を見ながら2人は言葉を失った。
その電光掲示板には
『豪雨により、隣の駅付近で土砂崩れが起きたため、本日運行予定の列車は全て運休となります。』
と流れていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!