あれから長いような短いような夏休みも終わり、涼しい風が吹いていた。
そう。夏休みの後の9月と言えば、前期期末テストである。
うらたと坂田の通う高校は、6月、9月、11月、2月と、1年間で4回テストがある。
テスト1週間前の坂田宅では勉強会が開かれていた。
そこでうらたは少し改まって言葉を発した。
「坂田!」
「はい!」
「今日から、セックスは禁止だ!!」
「は?」
急にうらたから言い放たれた言葉に、坂田は思考が追いついていないようだった。
「え…、うらさん…どうしてそんなこと言うん…。
俺のこと…」
「んなわけないだろ!
今日でテスト一週間前。この意味が分かるか?坂田。」
「わからへん。」
「勉強をしなくてはならない!」
と、うらたはドヤ顔で言った。
「今してるやん。」
「ちがーう!」
「声でかww」
「あのな、坂田。
今までのようにテスト期間中に2、3日に1回以上セックスしてたら、勉強時間が減るんだ。」
「え?」
「前回の6月のテストは、お陰様で学年56位だ…!」
※2年生は約200人
「めっちゃええやん!!」
「今まで俺は、テストの順位は30位以内だ…。
こんな順位じゃまずい…。
今回は!ちゃんと勉強するって決めた!」
「だからセックスしないん?」
「坂田…、お前だって前回のテスト赤点3個もあったんでしょ…。」
※全部で7教科
坂田がそっぽを向いた。
「あんま覚えてへ〜ん…。」
「セックスしたら、その日は疲れて勉強なんて出来たもんじゃない!」
「確かにそうやけど…」
「テストは3日間だから、今日からテスト終わるまでの10日間、セックスは禁止!!」
次回もお楽しみに!
次回の投稿予定日は8月22日
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!